佐藤 秀峰: ブラックジャックによろしく 11
名門大学病院に勤める研修医の話。
配属を転々としながら各科の問題点を洗い出し、話題となりドラマ化もされている作品。
11巻は精神科の話の3巻目。
精神病患者への無理解や偏見が状況を悪くしていると訴えながら、一介の研修医や医者には何もできないというもどかしさを描いている。
作品には新聞記者も登場させ、マスコミの一員であっても状況を変えることはできない現実を見せつける。
厳しい現実の前に熱く立ち向かっていくのが、この作品の主人公の持ち味だったはずだが、精神科ではそれも出てこない。
何も変わらない、変えられないという主人公たちのもどかしさは、難しい問題を扱っているこの作品自体にも向けられているように思える。
次巻予告も事態は悪い方向へと向かっていくことを暗示させている。
果たして、この作品はどこへ向かっていくのだろうか。
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