藍川 さとる: 自由になあれ
藍川さとるの「晴天なり。」シリーズの文庫化第3弾。
この巻は長めのエピソードが3編とその他が収められている。
同性同士の恋愛関係を描いているものが中心となっているが、そこに後ろめたさや苦悩が見られないのが特徴。
同性愛についてはすでに様々な形態のあり方も含めて認識されており、そのことについて堂々としている世界観は心地よい。
その上で、あくまで相手との関係性についての気持ちの揺れ動きで構成されているエピソードは帯にも書かれた「リリシズム」に溢れる内容となっている。
思春期ならではの過剰な自意識の描写も魅力的。
個人的には「ウィーカーセックス スピーカーセックス」のエピソードがお気に入り。
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