吉野 朔実: 瞳子
大学を卒業してからも仕事をせずに友人たちとの楽しい時間を過ごしている女性の話を始めとした短編集の文庫化。
主人公の瞳子は森澤、天王台といった友人達と音楽など共通の趣味の話題に興じることが好き。
一方で、母親や言い寄る男性との関わり方にはどうしてもポイントを外してしまう。
そうした感情を言葉にしながら自覚していくところが吉野朔実作品の特徴だと思う。
それらはその他の短編にもよく表れており、満足度は高い。
とはいえ、明るい話ばかりではなく、どちらかと言えば悲しくなる話が多いので世界観にはまりたい人は注意が必要かもしれない。
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