小山田 いく: 五百羅漢
表題作を始めとするホラー作品を集めた復刊企画でブッキングより出版された短編集。
作者のファンであれば、そのプロフィールに書かれているデビュー作品として「五百羅漢」の名前は知っているだろう。
その作品を読めるということであれば、雑誌を底本としているとはいえ、ありがたいことである。
作品自体は70年代カラーが強く、軽井沢シンドロームの第1話辺りを彷彿とさせる(兄弟だからというものでもないと思うが)。
タイトルから表題作のような初期作品ばかりを集めたものかと思いきや、その他はすべて90年代の作品。ほとんどは98年以降のホラー雑誌に掲載された作品。
そのため、絵柄に対する抵抗感は少ないだろうが、作者の青春ものを期待していた向きには残念かもしれない。
それぞれの作品に作者からのコメントが付けられているのはうれしいところ。
初出一覧もしっかりしている。
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