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April 22, 2006

佐藤 秀峰: 海猿

若い海上保安官の活躍を描いた作品。文庫化1巻から3巻までを一気読み。

雑誌掲載時には欠かさず読んでいたが、単行本は買わずじまい。
その後、TVドラマ化や映画化で盛り上がったので、却って買う機会を逸していたのだった。
今回の文庫化も再映画化に合わせてのもののようだが、良い機会なので購入。

1巻は新人海上保安官の姿を、これまた新人の新聞記者の目を通して描いたもの。
絶えず死と隣り合わせの凄絶な現場での、若さ故の独走が結果に結びつく様が描かれる。
消防士を描いた「め組の大吾」も似たモチーフではあるが、大きな違いはこの「海猿」では死が描かれていること。
その死を目の前にして主人公・仙崎大輔が仕事に対する自信を失う様子まで描かれる。

2巻は何とか仕事を続ける決意をした大輔が潜水士の資格を取る訓練風景を中心に描かれる。
映画「海猿」はこの辺のエピソードが中心。主人公のイメージはかなり違うし、やはり直面する仲間の死の印象も異なる。
原作の方が断然内容が濃くて泣かせる。それは映画版に不満の残ったところと思い出した。

3巻は不審船を扱った現実とオーバーラップさせたエピソードに続き、大きな海難事故が続く。
ここで大輔はもう誰も死なせないという決意を込めて救難活動の中で行動していく。
この辺はやはり「め組の大吾」がイメージされてしまう。
それを無理に比べようとすれば、誰も死なない「め組の大吾」と死を描いている「海猿」との差ということになるのだろうが、そこは少年マンガと青年マンガという位置付けの差であるのかもしれないし、どちらが優れているというものでもないような気がする。

ということで、泣けるし、楽しめるし、エピソードは多いし、お買い得な印象の文庫版。
連載時は漫然と読んでいたけれど、九州な作品だったのだな、と改めて気付いた。
来月発売の次巻が待ち遠しい。

佐藤 秀峰: 海猿 1 (1)

佐藤 秀峰: 海猿 1 (1)

佐藤 秀峰: 海猿 2 (2)

佐藤 秀峰: 海猿 2 (2)

佐藤 秀峰: 海猿 3 (3)

佐藤 秀峰: 海猿 3 (3)

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