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May 17, 2006

佐藤秀峰: 海猿

若き海上保安官の活躍を描いた作品。文庫化の最終巻。

4巻ではインドネシアまで海賊掃討に出かけ、同僚が海賊の銃弾に倒れてしまう。
同僚の死を目前にし、主人公・大輔は命のやりとりをする職場に、自分の復讐心に戸惑いながら、自らの使命を自覚していく。
そんな経験を経て、恋人との関係も変化していく。

最終巻では飛行機事故が描かれる。垂直尾翼を失った航空機が博多湾に不時着。
主人公たちはその航空機から乗客の救出を図る。その中で描かれる多くの人の死。
機長、航空会社の地上職員、新聞記者、海上保安官、事故を巡るそれぞれのエピソードが、それぞれの想いと共に描かれていく。

そのエピソードの積み重ねとストレートな想いに、最終巻の後半はずっと涙を禁じ得ない。

2ヶ月続けての文庫出版は映画化に合わせたものに間違いなく、まだ観ていないのだが、これを読んで映画を観てみようとは思わない。
なぜなら映画でいかにSFXを駆使しようと、こうした惨い人の死を真正面から描いた上で、それを前にした人々の想いの積み重ねをエピソードと共に描ききれるとは思えないからだ。
それだけのパワーがこの作品にはある。

佐藤秀峰: 海猿 4

佐藤秀峰: 海猿 4


佐藤秀峰: 海猿 5

佐藤秀峰: 海猿 5

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