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December 31, 2006

木尾 士目: げんしけん 9

大学のオタク系サークルの話。最終巻。

主要メンバーが卒業と言うことできれいにおしまい。
なるほど、こう終わってみると現代的な青春グラフィティだったのだな、と思った。

「すくらっぷブック」の復刻を読み返しているからかもしれないけれど、あとで思い返せばつまらないことで思い悩んでみたり、想いを込めているものにこだわりを持ってみたり、恋愛も含めた他人との関係がうまく行ったりいかなかったり。
そんな青春グラフィティを構成する要素が、オタク系サークルの中にはあると言うことに気付いた点でこの作品の勝利は決まっていたような気がする。

オタク系サークル以外でそうした要素が存在しなくなっている、もしくは現実感を伴って描くなっているとするならば、それはまた別の考察が必要になろう。

木尾 士目: げんしけん 9 (9)

木尾 士目: げんしけん 9 (9)

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December 30, 2006

曽田 正人: シャカリキ! (7)

坂を上ることが好きな自転車乗りの少年の話。文庫化最終巻。

日本最高峰のレース"ツール・ド・おきなわ"の山岳コースもいよいよ終盤。
ハリス・リボルバーとの戦いに勝利したテルは精根尽き果てて山を下る。
鳩村にも追いつかれるが、二回目の山岳コースで圧倒的な強さを見せつける。
ハリスも鳩村も脱落していく中、最後の挑戦者としてユタが死にものぐるいの追走を見せる。

テルとユタ2人の戦いは他をまったく寄せ付けずに一気にゴールまで駆け抜けていく。
雑誌連載時からその勢いには目を見張り、感動の涙を禁じ得なかった。
それから単行本、ワイド版、そして今回の文庫版と何度読んでも決して色あせることなく同じ感動を味わうことができる。

それだけ力を持った作品に出会えたことがとても幸せであると感じる。
ラストもあまり引っ張らなかったのが良かったように思う。

曽田 正人: シャカリキ! (7)

曽田 正人: シャカリキ! (7)

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December 25, 2006

NODA・MAP第12回公演『ロープ』

弱小プロレス団体を舞台に「力」について描いた話。

弱小プロレス団体の二代目ヘラクレス・ノブナガは引きこもり。何とか引きずり出してリングに上げようとするタッグパートナーと団体所属のレフェリー、話を聞きつけてスクープをものにしようとする弱小ケーブルテレビのディレクター一行、そこにリングの下に住む未来から来たコロポックル・タマシイが絡んでいく。

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December 16, 2006

小山田 いく: すくらっぷ・ブック (3)

長野・小諸の中学校を舞台にした青春グラフィティの復刻版第3弾。

この巻では中学3年生と言うことで進路に悩んだり、新たな恋愛模様があったりと、大きなイベントが目白押し。
ちょっと友人関係に思い悩んで自分を見つめ直しに旅に出るくだりは、すごく憧れたことを覚えている。

そんな自分の記憶を呼び起こしてしまうので、あまり直視せずに速読してしまうのだった。

小山田 いく: すくらっぷ・ブック (3)

小山田 いく: すくらっぷ・ブック (3)

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December 15, 2006

西村 しのぶ: サード・ガール 2

1980年代中盤、神戸を舞台に背伸びしたい女子中学生と理系大学生とのつきあい模様を描いた作品。20年振りに完全版として復刊した第2巻。

涼と美也さんが大学を卒業し、同居を始め、夜梨子は高校生となる巻。
新生活に関わるトラブルや嬉しい出来事がビビッドに描かれている。
夜梨子が中心で年上の彼氏の彼女という描かれ方だった美也さんが徐々に主人公となってくる様が興味深い。
それが意図されたものかどうかは不明だけれど。

ちなみに完全版とするなら、各話のカラーページも忠実に再現して欲しかったと思う。

西村 しのぶ: サード・ガール 2 (2)

西村 しのぶ: サード・ガール 2 (2)

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December 14, 2006

夢路 行: あの山越えて 9

実家近くで農業をしたいという夫に付き合い田舎暮らしを始めた女性教師の話の第9弾。

主人公本人はほぼ生活には慣れてきているため、自然と周りのキャラクター達の話が増えてきている。
この巻では、割と恋愛模様を描いたエピソードの比率が高い。

恋愛模様と言っても、小学生から30歳前後、老夫婦までバラエティに富んでおり、比較的深刻な話題も牧歌的な絵柄で不快感を感じることなく描かれている。
まぁ、安定して読ませる作品。

夢路 行: あの山越えて 9 (9)

夢路 行: あの山越えて 9 (9)

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December 13, 2006

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

人々の頭脳がネットワークによって結ばれている近未来、巨大な陰謀に立ち向かう公安9課の活躍を描いた作品。神山健治監督作品。

テロリスト達の連続自殺事件から端を発し、子供達を使ったウィルステロの陰謀、その影に見え隠れする"傀儡廻"と呼ばれるハッカーの存在、信じられない数の誘拐事件から政府の巨大な陰謀まで、アクションを交えたサスペンスがノンストップで展開される。

テロリストや犯罪者の悪事を暴くだけでなく、背景となる社会現象として高齢化や児童虐待も散りばめられ、作品にふさわしい硬派な印象を受ける。

これまでの攻殻機動隊シリーズ作品と直接的なつながりはないとはいえ、公安9課という組織への説明はほとんどなく、草薙素子というキャラクターへの言及もないことから、少なくともシリーズの人間関係くらいは把握してから観る必要はあるだろう。

特典DISCはスタッフインタビューなどがメインだが、一番楽しめるのはショートアニメ。

PLAYSTATION3にて鑑賞。

: 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

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December 12, 2006

立喰師列伝 コレクターズセット

戦後日本の外食文化を『立喰師』と呼ばれる存在を通して描いた作品。押井守原作・脚本・監督作品。

押井守の持ち味である膨大なテキストを、スーパーライブメーションという独特な方法で表現している。
このスーパーライブメーションという手法は静止画をCG処理により、静止画の味わいのまま動かすもので、同監督の「ミニパト」から通じて原画がイラストから実写へと進化している。

が、しかし、そうした表現方法の進化が素人とも言えるアニメ界のスタッフ達をキャストとして利用できるという利点以上に物語に影響を与えているとは正直感じられない。

また、『立喰師』という架空の存在を擁して戦後日本社会を描き出す手法は仮想戦記にも通じ、外食産業という側面からの視点はユニークかつ興味深い。
が、しかし、膨大なテキストのナレーションを一度で把握することは非常に困難と思われ、またサスペンスやアクションのまったくない地味な内容と構成に観ているものの支持がどこまで得られるかは甚だ疑問を禁じ得ない。

特典DISCの内容は制作現場についてのドキュメンタリー、押井監督と深作健太監督との対談の模様。どちらもさほど魅力的とも思えず。

: 立喰師列伝 コレクターズセット (初回限定生産)

立喰師列伝 コレクターズセット (初回限定生産)

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December 11, 2006

柳下毅一郎: 女優 林由美香

2005年に急逝した女優・林由美香の出演作品を紹介している本。

アダルトビデオでデビューした林由美香は、移り変わりの激しい厳しい業界の中にあって、奇跡的に十数年に渡って現役を続けてきた。
その間、ピンク映画やオリジナルビデオ、グラビアと活動範囲を拡げながらも、決してもったいぶったりすることなく、膨大な作品に出演している。
そのため、本書はかなりのボリュームを有しており、それをつぶさに見ていくことは困難と言える。

女優・林由美香に思い入れのある人には、彼女のバイオグラフィーと出演作品のガイドブックとして使えるであろう。
また、彼女のキャリアの中で変貌していったアダルトビデオやピンク映画の状況を、その出演作品から見て取ることもできるかもしれない。そのため、多分に少ないこれら業界の確かな資料としての価値も高いと思われる。

冒頭、監修者としてクレジットされている柳下毅一郎の文章は、一見とても落ち着いたものに見えながら、林由美香への想いと、その業績を分かりやすく読者に伝えようと言う想いがその中に感じられ、思わず涙せずにはいられない。
人に何かを伝えたいと考えるのであれば、こうした文章を書きたいと強く思わせてくれる。

柳下毅一郎: 女優 林由美香

柳下毅一郎: 女優 林由美香

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December 10, 2006

よしなが ふみ: 大奥 2

男女が逆転した江戸時代の有様を江戸城の大奥を通して描いた作品。

1巻では完全に男女逆転した世の中で徳川吉宗への代替わりを描いていたが、その吉宗が書物を読み進める形で、2巻は徳川家光の時代が描かれている。
流行病によって男子のみが少なくなっていく状況で、早死にした家光の影武者として家光の隠し子が女子であることを偽って家光になりすます。
後ろ盾になる春日局の恐ろしいまでの徳川の血筋への執着が、僧侶である美丈夫、有功を作ったばかりの大奥へと誘い込む。

公家出身の有功の視線が中心となっているため、公家と武家、京都と江戸の置かれている関係性も大奥での生活の中で違和感なく描かれている。

家光となった少女の残酷な運命に、感情を交わしていく有功の様子はちょっと泣かせる。

まだまだ描けるエピソードは多く、どこまででも続けられそうな雰囲気を持ち始めている。
それでいて面白さを失わないでいられるのは、大したもの。

よしなが ふみ: 大奥 2 (2)

よしなが ふみ: 大奥 2 (2)

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December 09, 2006

浦沢 直樹: 20世紀少年 22―本格科学冒険漫画

近未来冒険コミックも22巻。

「ともだち」の告白により家にこもった人々を音楽祭によって万博会場に集めようとする。
その目的も曖昧になっていく中、巨大ロボットは出現し、会場へ主要な登場人物たちは続々と集まってくる。
それらの多くが幼馴染みというご都合主義は置いておいても、何が謎として残っているのか、よく分からなくなってきている。

もはや、誰が誰だか分からないまま読んでいるので、終わったら一気に読み返してみたいと強く思うのだった。
それが近いような気もするし、遠いようにも感じられる巻。

浦沢 直樹: 20世紀少年 22―本格科学冒険漫画 (22)

浦沢 直樹: 20世紀少年 22―本格科学冒険漫画 (22)

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December 08, 2006

山本 英夫: ホムンクルス 7

頭骨に穴を開けるパトロネーションによって、人の心理状態が視覚化されて見えるようになった男の話。

男の視界を表現するため無闇にコマが大きく、多く、話が進まないものだったが、この巻は多少動きがあった。
とはいえ、男の昔の話を交えているからそう感じるだけであって、落ち着いて思い返せば手術を施した男と会話した程度。
これでさらにどうしようとしているのか、分かりかねる。

山本 英夫: ホムンクルス 7 (7)

山本 英夫: ホムンクルス 7 (7)

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December 07, 2006

FREEDOM 1

月面都市に生きる少年たちを描いたアニメーション作品。

カップヌードルのCMに端を発したFREEDOM projectの本編として制作されたもの。
レースに夢中になっている少年たちの姿を描きながら、その奉仕活動の内容で月面で暮らしていることや、偶然知り合った老人との会話から地球はすでに人間が住めない状態になっているとされていることが少しずつ見ているものに伝わってくる、最近ありがちな構成。

すでに「FREEDOM previsited」 にてあらすじは分かってしまっているので、さほど新鮮さはなく、感動も少なかった。
どうしても、このキャラクターたちの絵柄だと「AKIRA」と比べてしまうのは致し方のないところか。

特典はスタッフの雑談ほか。

: FREEDOM 1

FREEDOM 1

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December 05, 2006

岡留 安則: 『噂の眞相』おかわりっ!

朝日ニュースターで放送されている「TVウワサの真相」の内容をまとめた本。

残念ながら、現在の放送受信状況では朝日ニュースターは観ることができないため、番組は観たことがない。
そのため、本の出版もしばらく気付かなかったのだが、読むだけで雰囲気は十分伝わってくる。

内容はポスト小泉などの政局、イラク紛争を中心とした国際政治、警察・検察の不祥事と暴力団、皇室とそのマスコミタブーなど。
いずれも雑誌「噂の真相」ではお馴染みのネタだけあって、読んでいた人には目新しさはないかも。
また、当たり前だけれどタイムリーな暴露話も期待できないためカタルシス感には欠ける。

岡留 安則: 『噂の眞相』おかわりっ!

岡留 安則: 『噂の眞相』おかわりっ!

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December 04, 2006

西村 しのぶ: サード・ガール 1

1980年代中盤、神戸を舞台に背伸びしたい女子中学生と理系大学生とのつきあい模様を描いた作品。20年振りに完全版として復刊した第1巻。

バブル前の華やかな神戸の若者像がナチュラルに描かれており、ただひたすら懐かしい。
といっても、直接神戸の様子を知っているというわけではなく、こういう学生生活があるのだな、と憧れ含め呼んでいた頃を思い出して懐かしいと感じるのだった。

当時のカラーギャラリーと絵はがきが特典。

西村 しのぶ: サード・ガール 1 (1)

西村 しのぶ: サード・ガール 1 (1)

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December 03, 2006

曽田 正人: シャカリキ! (6)

坂を上ることが好きな自転車乗りの少年の話。文庫化第6弾。

日本最高峰のレース"ツール・ド・おきなわ"も山岳コースに入り、テルはトップグループに追いつく。
チャンピオン酒巻との争いには打ち勝つが、そこで精魂尽きてしまい、ハリス・リボルバーの独走を許す。
しかし、後続集団に追い上げられていく中で、テルは正気を取り戻しハリスへの追走を始める。

ハリスの少年時代から日本にやってくるまでのエピソードも挿入され、レースが世代交代を果たしていく様をじっくり読ませる。
エピソードはほとんど覚えているつもりだったけれど、この巻が山岳コースだけで終わるとは思わなかった。
これから山岳賞の決着、そしてレース終盤へと物語は佳境へと向かっていく。

曽田 正人: シャカリキ! (6)

曽田 正人: シャカリキ! (6)

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