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January 04, 2007

唯野未歩子 :「猿の子ども」

いとこに想いを寄せる女子高校生と、いとことその恋人を描いた話。小説現代12月号収録。

郊外の中学から都心の高校に進んだ主人公は、垢抜けた同級生達や言い寄ってくる男の子達との折り合いを付けながら、地元で8歳年上のいとことその恋人のもとに足繁く通う。
いとこの部屋で鍋をつつきながら3人で会話した後、いとこの恋人は姿を消してしまう。

垢抜けているけれど性的未成熟な都心の同級生達と、大して娯楽もないので性経験は豊富な地元の同級生達との感覚のギャップが反発を生んだりする高校生活の描写と、いとこカップルとの肩の力が抜けたやりとりの描写は対比的に描かれているけれど、終盤までどちらがメインなのか判断が付かなかった。
双方を同じレベルに描くことで、主人公の人となりはより把握しやすくなるし、そうしたエピソードの積み重ねは大事だと思うけれど、どちらがメインなのかははっきりさせておいた方が読みやすいと思う。
どちらかをメインに据えてしまうことで、あたかも二重生活のような中で主人公がどちらをどのように感じていたのか、逆に感じていなかったのか、読み手には分かりやすかったように思えた。

雰囲気は良いけれど、上記のような理由で今ひとつ読後感に欠ける気がする。

小説現代 2006年 12月号

小説現代 2006年 12月号

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