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January 23, 2007

平野 史: サッカー監督はつらいよ

架空のプロサッカー監督の仕事を通じてサッカークラブの置かれている状況などを描いている本。

架空のプロサッカー監督J氏が監督就任のオファーを受けるところから始まり、受諾、チーム作りを通してサッカークラブ監督の仕事内容について、気を遣う部分も含めて描かれている。
他チームの噂やJ氏が以前にコーチとして勤めていたチームでのエピソードも交え、Jリーグの問題点やトラブルの真相を語っていく。
まだまだ歴史も浅く、プロフェッショナルに徹し切れていないクラブ運営会社フロントと現場担当である監督との役割分担など、プロスポーツに興味がある人には面白く読めるだろう。

形式としてはJ氏を主人公とした小説にもできたように思えるくらい、題材は面白くドラマチック。
著者にそのようなテクニックがなかったのかもしれないが、その分、淡々とした文章にはJリーグの現状を知ってもらいたいという意図が感じられて、これはこれで良いと思われる。

後半はオフト以降の日本代表チーム監督について、メディアの裏側事情も含めて短くまとめられている。
オシムの就任以降の数試合まで収められており、メディアから見た歴代監督の姿は興味深い。

全体としては落ち着いた感じで、日本プロサッカー界の状況を伝えていて好感が持てる。
それが逆に、野球体質から抜け出せずW杯ばかりに盛り上がり監督の言動やスキャンダルばかりを取り上げる日本のメディア状況の貧しさを浮き彫りにしているように感じられた。

平野 史: サッカー監督はつらいよ

平野 史: サッカー監督はつらいよ

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