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June 30, 2007

マングローブ: エルゴプラクシー

未来都市を舞台にしたオリジナルアニメーションのコミック版。全2巻。

アニメーション本編とは基本的に関係がなく、同じ舞台設定を使って少し時代を遡ってのエピソードを描いている。

もっともアニメーション本編冒頭の設定を前後に挟み、残された書物を読んでいるという形態を取っている。

それ自体は大して面白くもなく、本編と雰囲気も異なるため、読みやすくはあるかもしれないけれど、本編を観ていなければ買わなかっただろうと確信を持って言える。

マングローブ: エルゴプラクシー 1 (1) 【センツォン・ヒッチャーズ&アンダーテイカー】

マングローブ: エルゴプラクシー 1 (1) 【センツォン・ヒッチャーズ&アンダーテイカー】

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June 29, 2007

二宮 ひかる: おもいで―二宮ひかる短編集

年上の女性と年下の男性という組み合わせのカップルを中心に描いた短編集。

ファンタジーっぽいものもあるけれど、基本は女性目線の恋愛もの。
お決まりの濡れ場も女性目線の描写が特徴。

そのためか、なかなかはっきりしない魅力的でない男性キャラクターが多いのが難しいところ。

二宮 ひかる: おもいで―二宮ひかる短編集

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June 26, 2007

桑田 乃梨子: 888 スリーエイト 3

やる気のない探偵事務所の話。

甘やかされて育ち苦労を知らない所長、有能だけれど犬好きで犬との時間を最優先に考える所員、仕事がないことに不満を言いながら馴染んでいる事務員の3人組が巻き起こすスチャラカな日常を描く。

舞台設定にしても、スチャラカさ加減においても絶妙な間が著者独特の味を出している。

桑田 乃梨子: 888 スリーエイト 3 (3)

桑田 乃梨子: 888 スリーエイト 3 (3)

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June 25, 2007

Ergo Proxy

未来都市"ロムド"を舞台に謎の殺人事件を追う女性リル・メイヤーを描いた作品。全9巻。

最近の本格派アニメにありがちな、何の前提も説明もなく、いきなり世界観を見せつけられ、エピソードを重ねながら視聴者に舞台設定を把握させていく手法を取っている。

当初は機械による殺人というSFサスペンスものといった様相が、謎のキャラクターが登場したところで趣を変え、主人公も交代したかのような展開を見せる。

画面は舞台設定を反映して全体的に暗く、萌えの要素も少なく、エピソードも謎を残したままインターミッションのような観念的なものが続く。
それゆえ、続けて観ていくのは非常につらく、何度も挫折しそうになった。

それでもラストは話が非常に大きくなりながらも何とかきちんとまとめているのはスゴイ。
こんなハードな作品がコミックになっているというのが興味深い。

: Ergo Proxy 1 初回限定版

Ergo Proxy 1 初回限定版

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June 21, 2007

吉野 朔実: 本を読む兄、読まぬ兄 [吉野朔実劇場]

本好きの本好きによる本好きのためのコミックエッセイ。

本が好きな人がなぜだか惹かれてしまう本の魅力や失敗がほのぼのと描かれている。

これがもう第5弾となるシリーズで、読む度に自分がいかに本を読んでいないかと、人生を損をした気持ちになるのだけれど、今回は何冊か読んだことのある本があった。
といってもコミックが中心だけれど。

吉野 朔実: 本を読む兄、読まぬ兄 [吉野朔実劇場]

吉野 朔実: 本を読む兄、読まぬ兄 [吉野朔実劇場]

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June 18, 2007

わかつき めぐみ: 夏藤さんちは今日もお天気

家族を巡るウォーミングなストーリーの文庫版。

植物学者の父親、後妻として迎えられた若い女性、あまり年が変わらず受け入れる娘と反発する妹、初めての母親として受け入れる末弟。
そんな一家に知り合いも含めて暖かで賑やかなやり取りが展開される。
それでも、そこで語られるのは死と生に関する真摯な問題。
それを独特の雰囲気でくるんでいるのが安心させる。

後半はタイトル作品に登場する動物キャラの話。
こちらもほんわかもの。

わかつき めぐみ: 夏藤さんちは今日もお天気

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June 17, 2007

山田 芳裕: デカスロン 4

陸上競技のひとつ十種競技に挑む選手の話。文庫化第4巻。

ドイツで行われたヨーロピアンカップも大詰め。世界選手権出場を賭けた風見万吉の活躍がプレッシャーとなり、優勝争いは混戦となっていく。

後半はインターミッション。万吉の新しいライバルとしてJリーグを蹴ってデカスロンに参戦するアラカンが登場。また万吉が想いを寄せる相手も登場する。

読むまですっかりアラカンの存在を忘れていた。このインターミッションが長く感じるものでなければよいのだが。
なぜなら競技シーンが圧倒的に面白いのだから。

山田 芳裕: デカスロン 4 (4)

山田 芳裕: デカスロン 4 (4)

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June 16, 2007

探偵事務所5” Another Story File 8

川崎の探偵事務所5に所属する5で始まる3桁のナンバーで呼ばれる探偵たちの話。

Another Storyというインターネットで公開されている作品をDVDにまとめた第8弾。
File8には「NIGHTMARE SOLDIERS」と「終わらない別れ」(杉山嘉一監督作品)を収録。

「NIGHTMARE SOLDIERS」
記憶をなくし、危険な仕事ばかりを請け負う探偵555(虎牙光輝)は、代議士の娘の救出に向かう。そこに現れた犯人は探偵555の過去を知る人物だった。

探偵555が再びの登場。探偵という言葉のイメージからはかけ離れたアクションシーンは相変わらず。

「終わらない別れ」
探偵511(柏原収史)は、恋人の思い出を忘れたいという女(黒沢あすか)の依頼を受け、思い出の品々の処分に立ち会う。
いつまでも思い出を断ち切れない女の姿に、探偵511はいつしか惹かれていく。

探偵としては御法度の「依頼人への恋心」を描いたラブストーリーとしてはラストに至るまで良くできている。
黒沢あすかを見るのは「六月の蛇」以来な気がするが、こんな顔だっけ?と思ってしまった。

: 探偵事務所5” Another Story File 8

探偵事務所5” Another Story File 8

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June 13, 2007

夢枕 獏: 餓狼伝

夢枕獏の同名格闘小説を谷口ジローによりコミカライズされた作品の文庫版。

存在は知っていたけれど、書店では見つからずAmazonにて購入。

コミック版の「餓狼伝」といえば、板垣恵介によるものがあり、巻を重ねているが、本書は小説版「餓狼伝」の1巻をほぼ忠実に劇画化している。

印象としては、板垣恵介版より現実の人間に近い印象があり、それぞれのキャラクターも原作のイメージに近い。
もっとも、今では原作が板垣恵介の絵に近くなっているようだが。

同じキャラクターで独自の世界を展開する板垣版の「餓狼伝」も面白いが、原作のイメージ通りのものを読みたいのであれば、これは目を通しておきたいところ。

夢枕 獏: 餓狼伝

夢枕 獏: 餓狼伝

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June 12, 2007

石田 雄太: 屈辱と歓喜と真実と―“報道されなかった”王ジャパン121日間の舞台裏

2006年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表を描いたドキュメンタリー。

韓国に二度敗れ、不可解な米国人審判の判定、一度は諦めかけた準決勝進出、韓国に三度目で雪辱、アマチュアNo.1キューバとの決勝を制して優勝した第1回WBCにおいて、日本代表の中で何が起きていたのかを丹念に追っている。

石田 雄太: 屈辱と歓喜と真実と―“報道されなかった”王ジャパン121日間の舞台裏

石田 雄太: 屈辱と歓喜と真実と―“報道されなかった”王ジャパン121日間の舞台裏

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June 11, 2007

島田 雅彦: カオスの娘―シャーマン探偵ナルコ

夢を見る能力に長け、ナルコレプシーの少年が祖母から霊能力を受け継ぎ、シャーマンとして生きていこうとする話。

15歳の少年ナルヒコ(父がアキヒコというのは著者流の皇室ギャグか)は、急に眠りに落ちるナルコレプシーに罹っていることから"ナルコ"と呼ばれる。
幼い頃から祖母に夢を見る能力を伸ばされ、祖母の死後、霊の声を聞くようになる。
さらに祖母の故郷である北海道へ渡り、最後のシャーマンからその役割を受け継ぐ。

並行して、誘拐事件に巻きこまれ、犯人に拉致・監禁され記憶を失った少女の話が展開される。
少女は犯人に長年陵辱を受けた後、犯人を殺害し、記憶を失った街に放たれる。
次々と受ける欲望と陵辱の中で、世の中に対するテロリズムと交わっていく。

著者の作品を読み続けている立場からすると、相変わらず落ち着いた文体でこうしたエンタテインメントが描けることに軽い驚きを覚えた。
文章に安定感があり、とても読みやすく、観念的なシャーマニズムに関する部分も、惨たらしい陵辱シーンも本質をうまく伝えており、過剰に扇情的な描写にはなっていない。

全体の印象としては『多重人格探偵サイコ』のノベライズ版に近い。「シャーマン探偵ナルコ」という身も蓋もないサブタイトル(シリーズ名?)も含めて。

著者があとがきで「読者に求められれば、」とあるが、是非第2弾以降も期待したい。

島田 雅彦: カオスの娘―シャーマン探偵ナルコ

島田 雅彦: カオスの娘―シャーマン探偵ナルコ

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June 06, 2007

探偵事務所5” Another Story File 7 マクガフィン

川崎の探偵事務所5に所属する5で始まる3桁のナンバーで呼ばれる探偵たちの話。

Another Storyというインターネットで公開されている作品をDVDにまとめた第7弾。
File7には「マクガフィン(前・後編)」(當間早志監督・脚本・撮影・編集作品)を収録。

「マクガフィン」
探偵事務所5沖縄支部を担当する探偵515(藤木勇人)は、捜査依頼の妊婦(洞口依子)を偶然により素早く見つけるが、彼女が探しているという過去の記憶を一緒に探し始める。
彼女が思い出す『マクガフィン』というキーワードを辿り、米軍や実験計画などの陰謀が顔を現し始める。

沖縄支部ということで舞台はほとんど沖縄(と思われる)。その時点で探偵事務所5のシリーズとしては異質だし、探偵515はお決まりのスーツも着ていないし、何でもありなのだな、とちょっと凹む。
それを除けば、作品自体は良くまとまっており、沖縄の空や海がきれいに描かれている。
惜しむらくは探偵515がなぎら健壱にしか見えないことくらいか。

: 探偵事務所5” Another Story File 7 マクガフィン

探偵事務所5” Another Story File 7 マクガフィン

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June 05, 2007

安田 剛士: Over Drive

自転車ロードレースに賭ける高校生たちの話。1巻から11巻までを一気読み。

高校生を主人公とした自転車ロードレースものといえば、「シャカリキ!」という傑作があって、それを読んでいる者にとっては、どうしても比べてしまう。
実力者ゆえに孤独な先輩、それをサポートする副キャプテン、性格もタイプも正反対の同級生、市民レースで戦う長髪の社会人レーサー、ニックネームを付けられている口ひげのレーサー、海外からの留学生ライバル...
パクリとは言わないけれど、同じスポーツを扱っている以上、似たようなキャラクター構成になってしまうのは否めないところか。

これに女の子キャラが目立って、エロネタが散りばめられているのがマガジンテイストと言ったところか。
超初心者の主人公が力を付けていくまでの努力があまり描かれず才能の一言で片付けられてしまっている印象があるのも気になるところ。

日本選抜合宿での高校対抗レースが今の舞台なのだけれど、リレー形式にしたために、チームの4人と主だったライバルが順番に見せ場となっている。
それはそれで面白いのだけれど、レースがひどく長いものになっているのが少々心配。
あと何巻で、このレースは終わるのだろう?

それでもアニメ化されているというのだから、この方が受けるのだろうな。

安田 剛士: Over Drive 1 (1)

安田 剛士: Over Drive 1 (1)

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June 04, 2007

よしなが ふみ: フラワー・オブ・ライフ 4

様々な事情を抱えながらも楽しく生きている高校青春ものの最終巻。

これまでの3巻で各キャラクターの関係性は築かれているので、この巻では新たな関係性を作るのではなく、それまでの関係が軋んでいく際の悲しみやつらさが、それでも前向きに生きていこうという力強さと共に描かれている。
小さな笑いのツボはそこかしこにあるのだけれど、通して読むとよく分かる生きていくことで決して避けられない痛みが良く感じられ、涙を禁じ得ないのだった。

友人同士の関係、男女の恋愛関係、ものをつくる(マンガを描く)と言うこと、ものを送り出す(マンガの編集)と言うことなどが、並行で進んでいながら分かりにくくもなく、バランス良く展開していくのが絶妙。

読んでいると、これを実写で見たいな、と思わずにはいられない。
けれど、各キャラクターを演じられる俳優がなかなか思いつけない。
多分に注目している関係者もいるのだろうけれど、作品の持ち味を消してしまい、タレント人気に頼ったようなドラマ化だけは勘弁してもらいたいものだ。

よしなが ふみ: フラワー・オブ・ライフ 4 (4)

よしなが ふみ: フラワー・オブ・ライフ 4 (4)

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June 03, 2007

安彦 良和: 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 3 ランバ・ラル編

安彦良和が描く1stガンダムの愛蔵版第3弾。

ランバ・ラル編と言うことで、まだTVシリーズでお馴染みのセリフが楽しめる。
カラーページの再現性も高く、紙質も良く、愛蔵版とするだけのことはある。
それだけに重さも大したもので、気軽に片手で持ってページをめくることは難しい。

巻末には木尾士目のおまけコミックとイラスト付き。本人も書いているけれど、『げんしけん』を読んだことない人には分からないネタだろうし、違和感あるだろう。
愛蔵版としてあるべき姿はもう少し考えても良いかと思う。

安彦 良和: 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 3 ランバ・ラル編 愛 (3)

安彦 良和: 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 3 ランバ・ラル編 愛 (3)

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June 02, 2007

西村 しのぶ: サード・ガール 8

1980年代中盤、神戸を舞台に背伸びしたい女子中学生と理系大学生とのつきあい模様を描いた作品。20年振りに完全版として復刊した最終第8巻。

とはいえ、この巻ではすでに大学2年生で就職を目の前にしている夜梨子と、1つ下のカズボンくんとの恋の行方が中心。
スパイスとして子犬の「水玉」も登場、カズボンのロン毛も時代(90年代前半か)を感じさせる。

この辺は雑誌掲載時で読んでいたので記憶が呼び起こされる感じ。

巻末には「発売日10日前(!)」収録のインタビューと「サード・ガール」に関するデータベースが収められている。
やはり文庫版は最後まで収録されなかったのだよな、とずっと不安に(けれど確かめることもせず)思っていたことが解決。

西村 しのぶ: サード・ガール 8 (8)

西村 しのぶ: サード・ガール 8 (8)

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June 01, 2007

夢路 行: あの山越えて 10

実家近くで農業をしたいという夫に付き合い田舎暮らしを始めた女性教師の話の第10弾。

もう主人公本人の話よりも周りの人たちのエピソードが中心。
都会暮らしと田舎暮らし、農業という産業、女性の働き方などがエピソードの中でうまく語られていく。

決して悪い人は出てこないにもかかわらず、人間関係の中でうまく行かないこと、たまには許せないこともあったりする。
それに悩み、傷つきながらも、人々は、特に女性はしなやかに強く生きている。

そのしなやかさがとても頼もしいと感じられる作品。

夢路 行: あの山越えて 10 (10)

夢路 行: あの山越えて 10 (10)

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