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July 31, 2007

高岡 永生: Goal Den Age

ユース世代のサッカー選手がユース日本代表として世界を目指す話。

「GIANT KILLING」の原作者による作品と言うことで大人買いの上、全3巻を一気読み。

高校のサッカー部でFWを勤める主人公は実績もないが、いきなりU-16日本代表の試合に呼ばれる。
それは、日本協会の強化策として無名の才能を集めて日本代表を活性化させようというプロジェクトだった。

無名の才能がエリートを撃破する構図は分かりやすくて面白く、同じ原作者と知れば、「GIANT KILLING」に通じる部分もある。
ただ、最終巻でU-16ブラジル代表との戦いから2008年北京五輪までの展開がいかにも性急で、連載の予定が修正されたことが伺える。

それにしても、主人公の幼馴染みという役どころのヒロインは、少年誌には必要なのかもしれないけれど、無理矢理代表チームに潜り込む設定も違和感あるし、ただひたすら邪魔だったりする。
こういう作品に必然性のない女性キャラクターは不要なのではないかと思うのだった。

高岡 永生: Goal Den Age 1 (1)

高岡 永生: Goal Den Age 1 (1)

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July 30, 2007

大塚 英志: アンラッキーヤングメン

1960年代末、世間を騒がせた事件の裏で青春を生きた若者たちの姿を描いた作品。大塚英志原作、藤原カムイ画。

4人連続射殺事件を起こしたN、売れないお笑い芸人で映画監督を目指すT、学生運動のセクトで中心的な役割を果たすK、その女性幹部ヨウコ、国粋主義の作家Mなど、実在の人物を想起させる登場人物たちが、三億円事件や東大安田講堂立てこもりと言った事件の影で生き抜いていく姿を描いている。

もっとも、原作者があとがきで述べているように、これまで謎だった真実を明かす、といったものではなく、あくまで現実の時代背景を借りたフィクションでしかない。

そこには、過去のこうした事件を振り返ったときに事件の背景や首謀者の意図が過剰に評価されることに異を唱え、それが今の若者と同じような浅薄な考えや衝動であったり、恋愛上のトラブルだったりしたのではないかとの指摘が見える。

そうした身も蓋も無さは原作者の得意とするところであり、この作品でも存分に現れている。
それを表現している藤原カムイの画質は目を見張るものがある。

ATGの映画を思わせる画面構成と画質が時代背景を絶妙に切り取っている。
気がつけばスクリーントーンがほとんど使われておらず、ベタとカケアミだけで構成される表現手法はアナログっぽさを出しているものの、あとがきによればすべてデジタル処理によるものだという。

そうした技術的な面でも新しいチャレンジが見られる大変興味深い作品。

藤原 カムイ: アンラッキーヤングメン1

藤原 カムイ: アンラッキーヤングメン1

大塚 英志: アンラッキーヤングメン 2 (2)

大塚 英志: アンラッキーヤングメン 2 (2)

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July 27, 2007

綱本 将也: GIANT KILLING 2

国内プロサッカーリーグの元スター選手が監督となって弱小クラブに戻ってくる話。

前巻でチームに混乱を与える新しいやり方を提示した監督は、シーズン前のキャンプでも意表を突くやり方でチーム内に刺激を与える。
そして迎えるプレシーズンマッチ、同じ東京をホームにしながらスター選手を擁しリーグチャンピオンでもある相手(どうしてサッカーマンガの対戦相手は良かった頃のヴェルディのイメージばかりなのだろう)との対戦で、初めて監督は具体的な指示を与える。

それまでの常識となっていたやり方や考え方を否定し、乱暴な印象ながら新しい風を吹き込んでいく監督の姿は絵柄と同様に清々しい。
それを快く思わないメンバーの姿を描くことで、思い通り行くわけではないところを押さえているのもまた良し。

また、圧倒的に上位の相手に奇襲を持って挑んでいく姿は爽快感に溢れる。
それがサポーターをも惹きつけるのだと言うことも描かれているのは大事なことだと思う。

綱本 将也: GIANT KILLING 2 (2) (モーニングKC)

綱本 将也: GIANT KILLING 2 (2) (モーニングKC)

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July 26, 2007

麻倉 怜士: やっぱり楽しいオーディオ生活

これからオーディオを嗜みたいと考える人を対象に、オーディオの楽しみ方をまとめた本。

CDの登場以降、オーディオとして音楽を嗜むことのハードルが低くなり、そこそこの音であれば低価格で楽しめるようになった。
また、CDを圧縮した(音質として悪くなった)オーディオデータがパソコンで管理されMP3プレーヤーなどで楽しむことが一般化し、良い音に接する機会は相対的に減少している。

そうした中で、より良い音を楽しもうとする場合の基本的な知識を学ぶ機会は、オーディオ雑誌の休刊などで少なくなっている。
それを憂いた著者による文章は、オーディオ初心者向けに読みやすく、分かりやすいものになっている。

ただ、実際にそこで紹介される機器は決して安いものではない。
しかも文中にはそれらの具体的な金額は明記されていない。
ものの値段のような変動があるものは本に掲載しにくいと言うことかも知れないが、目安くらいは書いても良かったのではないか。

半分仕事で読んだ本だけれど、そんなことを感じた。

麻倉 怜士: やっぱり楽しいオーディオ生活

麻倉 怜士: やっぱり楽しいオーディオ生活

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July 25, 2007

菊地 秀行: プチ・ポリソン―魔界都市悪童伝

魔界都市<新宿>を舞台に、謎のフロッピーの争奪戦に巻きこまれた不良少年を描いたエンターテインメント小説。

著者のモチーフである魔界都市<新宿>を舞台にしたバリエーションに新たに加わった主人公、十羅綺由裸夫は、悪事を悪事と思わず、平気で味方も裏切る。

展開もそこそこ面白いし、描写も分かりやすかったが、主人公の外見についての描写が少ないので今ひとつ魅力が薄い。
それにしても、もうほとんど見かけなくなったフロッピーを争奪戦の対象として使うのはいかがか。
そろそろ若い世代では見たことなく、何のことだか分からない人が出てくるのではないだろうか。

菊地 秀行: プチ・ポリソン―魔界都市悪童伝 (FUTABA NOVELS)

菊地 秀行: プチ・ポリソン―魔界都市悪童伝 (FUTABA NOVELS)

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July 24, 2007

秒速5センチメートル 特別限定生産版 DVD-BOX

男女の想いの距離を描いた三つの連作をまとめた作品。新海誠監督。

第1話「桜花抄」は、中学進学と同時に離ればなれになった中学一年生の男女が手紙のやり取りを重ね、少年が少女の引っ越し先へ訪ねていく小旅行を描く。

小学校時代にお互い転校生だったことで仲良くなったものの、離れたことで手紙をやり取りする距離ができ、それでも東京と栃木という行き交いができないわけではない距離を中学一年生が訪ねていく設定は絶妙。
初めて冒険に出るような少年の期待感と不安感がどうしようもなくよく出ている。

第2話「コスモナウト」は、種子島を舞台に高校三年生の男女の姿を描く。

自分の進路も決められない少女は、どこか遠くを見ている転校してきた少年に中学時代から言い出せなかった想いを伝えることで、すべてを好転させようとする。
大人になることを強いられる年代の焦りと、何か外からの力で変えたい、変わりたいという気持ちは良く伝わってくる。

第3話「秒速5センチメートル」は、社会に出て3年目、必死にやってきた仕事に疲れ果て会社を辞めた男が、中学時代に想いを寄せた女性を思い出す姿を描く。

何かきっかけがあったわけではないのに、次第に疎遠になっていく男女の想いを、いくつかの空白期間を思い起こさせるイメージが、山崎まさよしの「One more time, One more chance」をバックに流される。

同監督のデビュー作「ほしのこえ」に比べると、SF的要素はほとんどなく、そこで描かれた男女の間で交わされる想いのみを描いた作品と言えるだろう。
映像は確かに美しいものの、驚くようなアクションや動きがあるわけではなく、強いて言えば、現実世界から切り取った風景がリアリティを生んでいるくらいのものだろうか。
その意味でも、同監督のベースにテキストというものがあり、その表現方法がアニメであるような印象を強く持つのであった。

: 秒速5センチメートル 特別限定生産版 DVD-BOX

秒速5センチメートル 特別限定生産版 DVD-BOX

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July 23, 2007

たがみ よしひさ: グレイ

未来世界を舞台に、虐げられる身分から抜け出すために戦い続ける男、グレイを描いた作品。文庫化の上下巻を一気読み。

上巻では、民(ピープル)、戦士(トループス)、市民(シチズン)という階級制度と、階級を上がっていくための戦いが必要なことをあっさりと説明するプロローグから始まり、主人公グレイが戦いをくぐり抜けていく姿を描く。
元々、階級制度に疑問を持つグレイはあっさりと管理単位である街(タウン)を抜け出し非自治区で新たな事実を知る。

下巻では、事実を知ったグレイが現在の制度を成り立たせている存在に対して戦いを挑んでいく姿を描く。

銃を中心とした近代戦の様相を見せる上巻に比べ、現代兵器から未来兵器へと描写が変わり、それも主題の1つではあるのだけれど、ラストにかけて戦いがあっさりとしたものになっていく。

それはあたかもシューティングゲームのボスキャラに挑むために、アイテムが充実していくのと同じように...

作者自らのあとがきを読むまでもなく、徳間書店の少年キャプテンの創刊当時に掲載された作品は、すごく印象深く覚えている。
改めて読んでみての感想もあまり変わりはないけれど。

当時の巻末おまけマンガを読んで、「滅日」ももう一度読みたくなった。

たがみ よしひさ: グレイ (上) (〔ぶんか社コミック文庫〕)

たがみ よしひさ: グレイ (下) (〔ぶんか社コミック文庫〕)

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July 20, 2007

安田 剛士: Over Drive 12

自転車ロードレースに賭ける高校生たちの話。

この巻は主人公の同級生であるクライマーが中心となる話。
というか、リレー形式という時点で順番に焦点を当てていくことが明らかなのだけれど。

さらに、走行中に身の上話が展開されるところは、やはり「シャカリキ!」と同じ。
しかも、それが長い長い。

また身の上話は走りのスタイルに由来すればこそ、納得もできようが、なんとも微妙な母子物語。
さっさとレースをして欲しいな、と思う巻。

安田 剛士: Over Drive 12 (12) (少年マガジンコミックス)

安田 剛士: Over Drive 12 (12) (少年マガジンコミックス)

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July 19, 2007

曽田 正人: capeta(カペタ) 14

4輪レーサーを目指す少年の話。

16歳の誕生日を迎え、ようやくフォーミュラに参戦できるようになったカペタは、デビュー戦で源と対決の機会を得る。

少ない経験を補うように公式予選でタイムを刻んでいくカペタに対し、源は大きな事故を起こしてしまう。

それでもグリッドに着いた源とカペタは並んで本選に臨む。

カペタ自身のようやくデビューできたフォーミュラへの想い、源との対決を前にしての相手に対する想い、そんなカペタに入れ込み直接間接を問わず関わってきた周りの人たちの想い、そんなものがデビュー戦のスタートに合わせて丹念に凝縮されて描かれ、気持ちを盛り上げる。

源とカペタの異次元の走りはレース序盤だけ。
中盤以降は次巻へ続く。

曽田 正人: capeta(カペタ) 14 (14) (講談社コミックスデラックス)

曽田 正人: capeta(カペタ) 14 (14) (講談社コミックスデラックス)

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July 18, 2007

フィリップ・トルシエ: オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言

サッカー日本代表元監督、フィリップ・トルシエによるサッカー日本代表に関する論説をまとめたもの。

タイトルとは異なり、本はジーコ前監督時代を振り返り、オシム現監督を分析し、日本サッカー全体についての論説をまとめた3章構成になっている。

ジーコ前監督時代については、その前のトルシエ監督時代の日本代表が若く才能溢れたタレント集団だったため、彼らを中心にチームを構成しなければならなかったとし、より若い世代を登用しなかったことに対する批判に一定の理解を示している。
逆に言えば、トルシエ自身の仕事の成果を間接的に誇っている身贔屓な言い方とも取れる。

また、オシム監督のやり方については、ジーコ時代に断絶した国内組と若手の登用を最優先としているとし、海外組については信頼があるからこそ現時点での招集に拘泥していないと分析している。
ただ、現時点の戦術にはベストとは言えない部分もあり、海外組の融合でそれが解決されるのか注目している。

最後に日本サッカー界に対しては、世界のサッカーの傾向を踏まえた上で、日本サッカーがどのような戦略に立って強化を進めていくべきかを語っている。
曰く、戦術に関しては世界に驚くべきものはもはやなく、ビッグクラブに代表されるように優れた一握りのタレントの力によって差が付けられているとしている。
その傾向は国代表にも反映されているとし、それを考えた上での強化策が求められるとしている。

特に海外組と呼ばれる1979年生まれを中心としたタレント豊富な年代は次回のW杯では30歳を越える。
前回の屈辱を晴らすという意気込みは結構だが、いつまでもその年代に頼るわけにはいかない。
いま求められているのはそうした現実を認識し、適切な戦略の元で強化を図っていくことだとしている。

以上、まとめたように果たしてトルシエでなければ言えなかった内容が含まれているかと言えば首をかしげざるを得ない。
ジーコ派でなく、日本サッカー協会のご機嫌取りばかりでないスポーツライターであれば、書けそうな内容ではある。
それだけに、外国人が書いた文章を訳したものとは違い、文章は読みやすく、アンチジーコ派としては溜飲を下げる内容となっている。

ただ、佳境を迎えているアジアカップの内容については予想となっているので、読み物としての鮮度は重要になるだろう。

フィリップ・トルシエ: オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言

フィリップ・トルシエ: オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言

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July 16, 2007

内沢 旬子: 世界屠畜紀行

各国の屠畜事情を文章とイラストでまとめたルポルタージュ。

屠畜とは、動物を死に至らしめて解体をする作業のこと。
残念ながら日本国内では被差別部落が担う職業として忌み嫌われてきた。
そうした差別が表向きなくなった(とは言えないけれど)今でも、その作業が表立って紹介されることはなく、違った意味でアンダーグラウンドな印象を持つものとなっている。

この本では、韓国、バリ島、モンゴル、エジプト、イラン、インド、チェコ、アメリカ、そして日本の屠畜場、また家庭での屠畜の状況と、周囲からの差別意識の有無についてまとめられている。

イスラム社会では念に何度かの祭の際に家畜をつぶして食べる文化がある。
韓国にも犬を食べる食文化がある。

そうした文化が直面している現実と、屠畜に関する周囲の見方が興味深い。
日本と同じように歴史的背景で被差別職業であった国もあれば、手に職を持った職人として尊敬を集めている国もある。
ただ、共通しているのは生活向上により屠畜に接することのない層が出現していること、それ故に血肉を怖がり、血肉を扱う職業を忌み嫌う視点が台頭していること、そして欧米からの動物愛護の視点が影響を与えていることだろうか。
それは各国固有の文化と西洋文化との戦いのようにも見える。

動物を「かわいそう」と感じるのは勝手だし、殺すことに反対することも勝手だけれど、我々の社会は動物を殺すことなしには成り立たない。
肉を食べることはもちろん、皮革製品、油脂などで活用される範囲は広い。
欧米の動物愛護団体には本格的なベジタリアンで動物由来のものには手を出さないくらいに徹底しているらしいけれど、そこまでの気合いがないのであれば決して目を逸らしてはいけないし、軽々に「かわいそう」などと口にしてはいけない。

また、食の安全が叫ばれていて、産地偽装、O157やBSEなどの問題があるにも関わらず、その対策が具体的にどう行われているのか、どんな人たちがどのような作業をしているのか、我々は知らないし、知らされることもない。
その役割を担うはずのマスコミに、屠畜が被差別部落問題と結びついたタブーという認識があるための結果だとしたら、とても哀しいことではある。
どのような人たちの努力によって食の安全が担保されているのか、そのこと1つを取ってみても、この本の持つ意義は大きい。

内沢 旬子: 世界屠畜紀行

内沢 旬子: 世界屠畜紀行

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July 15, 2007

綱本 将也: GIANT KILLING 1

元Jリーガーが監督として自分の在籍した弱小クラブに戻ってくる話。

達海猛は海外に渡って消息が不明だったが、イングランドのアマチュアクラブの監督として地元の熱烈な支持を集めていた。
その真骨頂は弱いチームが強いチームを破る大番狂わせ=GIANT KILLING。

日本に戻ってきても、初日から自分のやり方でチーム内の常識を覆していく。

勝利への明確な意志と作戦によって、大番狂わせを演出していく主人公の姿はとても爽快で気持ちがよい。
1巻では、ある手駒を効果的に使うという監督の力だけしか見られなかったが、選手を育てる力もきちんと描かれるのか、次巻以降に期待が持てる。

綱本 将也: GIANT KILLING 1 (1) (モーニングKC)

綱本 将也: GIANT KILLING 1 (1) (モーニングKC)

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July 14, 2007

山田 芳裕: デカスロン 5

陸上競技のひとつ十種競技に挑む選手の話。文庫化第5巻。

日本選手権開幕、昨年の優勝者として出場する風見万吉はトレーニングの成果として正攻法の戦いを展開する。

Jリーグを蹴って十種競技に挑むと注目を集めるアラカンは、その卓越した身体能力で常識外れの戦いを挑む。

昨年の万吉の戦い方をアラカンがなぞっているように見せる展開はうまい。
この辺の展開はあまり印象がないのだけれど、なかなか面白い印象。

山田 芳裕: デカスロン 5 (5) (小学館文庫 やB)

山田 芳裕: デカスロン 5 (5) (小学館文庫 やB)

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July 13, 2007

能田 達規: オーレ! 3

地方公務員が地元プロサッカーチーム上総オーレのスタッフとして運営に関わっていく話。

2部リーグも残り3節。上総オーレは最下位争いを演じている。最下位になれば自動降格、1つ上でも下部リーグ2位チームとの入れ替え戦。
すでにいずれかの選択肢しかない状況に追い込まれた上総オーレは、何とか最下位脱出、入れ替え戦出場への道を目指す。

アウェイゲームのためにパブリックビューイングを企画し、その手続きも知らずに困惑しながらも、主人公は強引とも思える手法で地元のために盛り上げを図っていく。

そして、最終節。相手は1部リーグ昇格と優勝を賭けた横浜キングス。1部リーグ経験者を多く擁し、39歳のキング"ヤス"が引っ張るチームだ。

その決戦を前に、11月末をもって来季契約の有無を選手たちに通告する。契約の意志がなければ、実質的な首切り。
それでも残りの契約期間をチームのために戦おうとする選手たち。

最終節当日、主人公はスポンサーたちを会場に招待し、命運を賭けた一戦を見せつける。
試合はピッチの中はもちろん、スタッフであるピッチ外の主人公たちも巻きこみながら戦いは進んでいく。

この作品の中の世界はもちろん架空ではあるが、現実の国内プロサッカーを丁寧になぞっている。
それだけに、降格争い、昇格争いを演じたことのあるサッカーチームのサポーターであった人には、その感覚は紙面からリアルに伝わっていることだろう。
正直、ラストの主人公の言葉には何度読んでも涙を禁じ得ない。

これまで国内サッカーをよく知らず、この巻を読んで感動した人がいるなら、同じ感動と同じ悔しさが毎年12月に国内のどこかで本当に行われていると言うことを知って欲しい。
そんなことを思わずにはいられない巻。

能田 達規: オーレ! 3 (3)

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July 12, 2007

1min.ドラマ「エル・ポポラッチがゆく!!」

謎の覆面レスラー、エル・ポポラッチと、街の人々の姿を描いた1分ドラマ18編を収録した作品。

NHKで番組と番組の合間に予告なく放映されていた1分ドラマ、だそうだけれど、まったく見たことがなく、話題になっていたことすら知らなかったけれど、面白そうなので購入。

街の人々として脇を固める俳優陣が豪華。鈴木京香、鹿賀丈史、温水洋一、小栗旬、小日向文世、南海キャンディーズのしずちゃんなど。

1分ドラマ18編なので収録時間は18分しかないのだけれど、映像特典が50分以上収録されている。
インタビューやビミョーな記者会見、特別編集版など見応えのある内容が充実している。
中ではエルポポ体操を踊る武蔵が妙に器用なのが面白い。できればイメージソングを歌うミッチーも出て欲しかった。

エル・ポポラッチの正体については堀北真希がインタビューで喋ってしまっている箇所がピーで消されている。こういうお約束はたとえインタビューでも守って欲しいと思うのだった。

: 1min.ドラマ「エル・ポポラッチがゆく!!」

1min.ドラマ「エル・ポポラッチがゆく!!」

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July 11, 2007

津田 雅美: eensy-weensyモンスター 1

平凡ながら目立つ幼馴染みに囲まれた女子高校生の主人公が気にくわない男子に出会ってしまう話。

「彼氏彼女の事情」完結から2年、確かに待望の新作は、やはり期待に違わず面白い。

主人公が毒づいてしまう際の心の中の悪意をモンスターで表すところなどは変わらずのテイスト。
それを恥じ入り、何とか押さえようとする主人公にも、毒づかれてショックを受ける男子も好感が持ててしまう。

結果としてはお決まりのパターンになりそうな雰囲気なのに、少しずつずらしている感覚が嫌味がなく、恥ずかしくなく読めるのだった。

月刊誌の連載に合わせて1話が1月分になっているので、大長編にはならなそうな予感。

津田 雅美: eensy-weensyモンスター 1 (1) (花とゆめCOMICS)

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July 10, 2007

ゆうき まさみ: 鉄腕バーディー 16

宇宙のテロリストを追ってきた捜査官バーディーが地球の少年と一心同体になって敵を追っていく話。

前巻から引き続きの氷川との戦いに決着し、これにて第二部が完。
後半は第三部に突入し、温泉宿でアルタ人が地球に来訪した謎に挑む。

割とやりたい放題な感じが良い方向に向かっている印象の巻。
そろそろ誰に何を隠しているのか、隠さなくても良くなっているのかが覚えていられなくなってきた。

ゆうき まさみ: 鉄腕バーディー 16 (16) (ヤングサンデーコミックス)

ゆうき まさみ: 鉄腕バーディー 16 (16) (ヤングサンデーコミックス)

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July 09, 2007

夢枕 獏: 狗ハンティング 1

人口生命体"狗"と"念呪者"の戦いを描いた作品。夢枕獏原作、野口賢作画によるコミック。

帯の「夢枕獏初のオリジナル原作」という惹句に購入。

人類が生み出したミュータントと特殊能力者の戦いというモチーフは目新しいものではないけれど、見やすい作画と拡がりを期待させる設定が魅力。

1巻はまだまだ設定と登場人物紹介程度で次巻が楽しみ。

夢枕 獏: 狗ハンティング 1 (1) (ジャンプコミックスデラックス)

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July 05, 2007

唯野未歩子 : 「光を縫う」

32歳の女性が恋人との行く末について考える様を描いた短編。小説現代2007年7月号収録。

臨時教員で夏休みを持て余している主人公は、写真家で海外旅行中の恋人の部屋を訪ねる。
その道すがら、腐れ縁の男友達の話、恋人との出会い、初めての旅行などのエピソードを思い返しながら、行く末について考えていく。

人間がもっとも自然な姿であるはずの裸でいる時間の少なさや、恋人との微妙な距離関係といった独特な雰囲気が良く伝わり、この年齢の女性が自分を保っているバランスがうまく描けている。

ただ、ラストは少々読者が突き放された印象も受ける。

小説現代 2007年 07月号

小説現代 2007年 07月号

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July 04, 2007

小山田 いく: ぶるうピーター

地方高校の寮生活を巡る青春ものの復刻版。

発売予告は見ていたものの近所の書店で見当たらず延期かと思っていたら2巻が出たようなのでAmazonで注文。

思えば、同じ中学生活を描いた「すくらっぷブック」に夢中になっていた頃であり、その続編と言う噂もあるくらい当初から期待度は高かった。

けれど、高校が舞台になったためか男女間の描写も当たり前に成長しており、それが多感な男子中学生にはいやに生々しく、拒否反応の方が強かったことを思い出す。

それでも息抜きのようなギャグや、気の利いたセリフなどは夢中になって覚え、いつか使う日が来るのだろうと根拠もなく思っていた日々を懐かしく、またそれ以上に恥ずかしく思い出してしまうのだった。

小山田 いく: ぶるうピーター 1 (1)
小山田 いく: ぶるうピーター 2 (2)

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July 03, 2007

西村 しのぶ: VOICE

様々な男女の恋愛模様を描いた短編集。

単行本も文庫本も持っているけれど、カラーページと未収録作品が載っていると言うことで購入。

読んでみると意外にそれぞれ忘れかけている内容もあったりして満足度は高い。

西村 しのぶ: VOICE

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July 02, 2007

唯野 未歩子: 正直な娘

15歳の少女と5人の女友達を中心に日々の出来事を描いた作品。

主人公は都内の小中高一貫教育の学校に学び、自分を周りに合わせる術を知っている。
女友達とのおしゃべりの中でも波風を立てないことを第一に考える。

そんな主人公が周りからもピッタリだと言われる恋人と出会う。
恋人との仲を深めてゆきながらも、友達との別れなどを一年間通して描いている。

とても読みやすい文体で、良くできているとは思うものの、やはり誰に向かって書かれた作品なのかと思わざるを得ないのだった。

唯野 未歩子: 正直な娘

唯野 未歩子: 正直な娘

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July 01, 2007

山本 英夫: ホムンクルス 8

登場人物2人だけのやり取りを延々と1巻もかけて描ききるのは大したもの。

でも、シーンの移動もなく、何か進展があったわけでもなく、読む度にいい加減にしたいな、と思いつつ読んでしまうのだった。

山本 英夫: ホムンクルス 8 (8)

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