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July 18, 2007

フィリップ・トルシエ: オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言

サッカー日本代表元監督、フィリップ・トルシエによるサッカー日本代表に関する論説をまとめたもの。

タイトルとは異なり、本はジーコ前監督時代を振り返り、オシム現監督を分析し、日本サッカー全体についての論説をまとめた3章構成になっている。

ジーコ前監督時代については、その前のトルシエ監督時代の日本代表が若く才能溢れたタレント集団だったため、彼らを中心にチームを構成しなければならなかったとし、より若い世代を登用しなかったことに対する批判に一定の理解を示している。
逆に言えば、トルシエ自身の仕事の成果を間接的に誇っている身贔屓な言い方とも取れる。

また、オシム監督のやり方については、ジーコ時代に断絶した国内組と若手の登用を最優先としているとし、海外組については信頼があるからこそ現時点での招集に拘泥していないと分析している。
ただ、現時点の戦術にはベストとは言えない部分もあり、海外組の融合でそれが解決されるのか注目している。

最後に日本サッカー界に対しては、世界のサッカーの傾向を踏まえた上で、日本サッカーがどのような戦略に立って強化を進めていくべきかを語っている。
曰く、戦術に関しては世界に驚くべきものはもはやなく、ビッグクラブに代表されるように優れた一握りのタレントの力によって差が付けられているとしている。
その傾向は国代表にも反映されているとし、それを考えた上での強化策が求められるとしている。

特に海外組と呼ばれる1979年生まれを中心としたタレント豊富な年代は次回のW杯では30歳を越える。
前回の屈辱を晴らすという意気込みは結構だが、いつまでもその年代に頼るわけにはいかない。
いま求められているのはそうした現実を認識し、適切な戦略の元で強化を図っていくことだとしている。

以上、まとめたように果たしてトルシエでなければ言えなかった内容が含まれているかと言えば首をかしげざるを得ない。
ジーコ派でなく、日本サッカー協会のご機嫌取りばかりでないスポーツライターであれば、書けそうな内容ではある。
それだけに、外国人が書いた文章を訳したものとは違い、文章は読みやすく、アンチジーコ派としては溜飲を下げる内容となっている。

ただ、佳境を迎えているアジアカップの内容については予想となっているので、読み物としての鮮度は重要になるだろう。

フィリップ・トルシエ: オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言

フィリップ・トルシエ: オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言

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