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July 30, 2007

大塚 英志: アンラッキーヤングメン

1960年代末、世間を騒がせた事件の裏で青春を生きた若者たちの姿を描いた作品。大塚英志原作、藤原カムイ画。

4人連続射殺事件を起こしたN、売れないお笑い芸人で映画監督を目指すT、学生運動のセクトで中心的な役割を果たすK、その女性幹部ヨウコ、国粋主義の作家Mなど、実在の人物を想起させる登場人物たちが、三億円事件や東大安田講堂立てこもりと言った事件の影で生き抜いていく姿を描いている。

もっとも、原作者があとがきで述べているように、これまで謎だった真実を明かす、といったものではなく、あくまで現実の時代背景を借りたフィクションでしかない。

そこには、過去のこうした事件を振り返ったときに事件の背景や首謀者の意図が過剰に評価されることに異を唱え、それが今の若者と同じような浅薄な考えや衝動であったり、恋愛上のトラブルだったりしたのではないかとの指摘が見える。

そうした身も蓋も無さは原作者の得意とするところであり、この作品でも存分に現れている。
それを表現している藤原カムイの画質は目を見張るものがある。

ATGの映画を思わせる画面構成と画質が時代背景を絶妙に切り取っている。
気がつけばスクリーントーンがほとんど使われておらず、ベタとカケアミだけで構成される表現手法はアナログっぽさを出しているものの、あとがきによればすべてデジタル処理によるものだという。

そうした技術的な面でも新しいチャレンジが見られる大変興味深い作品。

藤原 カムイ: アンラッキーヤングメン1

藤原 カムイ: アンラッキーヤングメン1

大塚 英志: アンラッキーヤングメン 2 (2)

大塚 英志: アンラッキーヤングメン 2 (2)

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