« July 2007 | Main | September 2007 »

August 31, 2007

獣木 野生: 蜘蛛の紋様 1

1980年代のアメリカ西海岸を舞台にした大河ドラマ、パーム・シリーズの第30弾。最終章の第1巻。

連載開始から20年以上、当初から予告されていた最終章がいよいよスタート。
しかしながら、当初の目論見とは異なる内容になったことを、冒頭の1章を小説とすることで、その中で辻褄を付けている。

当初はパームシリーズ冒頭に至るまでの約1世紀を描くはずだったのが、断念し小説として簡単に語られたという形態を取っている。
とはいえ、単なる言い訳に終始するわけではなく、それなりに読ませる内容になっており、またその中で語られる人間関係やまだ作品化されていないエピソードは読者に十分興味を抱かせるものとなっている。

コミック部分はカーターをメインに据えて、幼少期からの成長の姿を描いている。パームシリーズをずっと読んできている者にとっては既に知っている内容ばかりだが、細かな描写を補完しながら進んでいく展開。

焼き直しといっては失礼だが、一度は作品の中で知っている展開には、正直驚きは感じられない。
果たして今後、作品化されていないエピソードがどこまで描かれるのか、ずっと読んできた読者にとってはそればかりが気掛かりとなっている。

獣木 野生: 蜘蛛の紋様 1 (1) (WINGS COMICS パーム 30)

獣木 野生: 蜘蛛の紋様 1 (1) (WINGS COMICS パーム 30)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 30, 2007

小山田 いく: ぶるうピーター 3

地方高校の寮生活を巡る青春ものの復刻版。最終巻。

前作「すくらっぷクラブ」に続けて読んでいた頃は、比較して男女の恋愛関係を赤裸々に描いているところが気恥ずかしい想いをしたものだったが、それが思いもかけない展開を見せる最終巻。

何となくそれまでのコミックでの恋愛ものは主人公がカップルになったら別れるとは思わなかったし、相手の女の子は同級生か幼馴染みの年下であることが当たり前で、相手が年上というのはこの作品で初めて読んで少々ショックを受けた覚えがある。

終わり方も予定調和から外れたものになっていて、大団円だけれど後味が悪かった覚えがある。
絵心が芽生えていた頃で、トレーシングペーパーでいくつかの絵を写し描きしていたことと一緒に恥ずかしく思い出した。

ところで、単行本の時にセリフの写植が入れ替わっていたけれど、この復刊版でもまったく同じにページ内でセリフが入れ替わっていた。
せっかくの復刊なのだから直しておいて欲しかった。

帯には続いての復刊作品として「ウッドノート」が挙げられている。こちらも期待。

小山田 いく: ぶるうピーター 3 (3) (小山田いく選集 2期)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 29, 2007

夢枕 獏: 荒野に獣慟哭す 6

記憶をなくした男が超人的な能力と共に自らの過去と陰謀に立ち向かっていく話。原作小説のコミック化第6弾。

アクションシーンだけでなく、後半にはインターミッションアクションや会話シーンもあるが、そのメリハリがうまく描けている。
こういうところに単なる描き込みの量だけでない上手さが表れていると思う。

日本編は終わりで、次巻はメキシコ編。
「毒島獣太」のコミカライズとの比較だけで何倍もマシだと思っていたけれど、このまま読み続けられそう。

夢枕 獏: 荒野に獣慟哭す 6 (6) (マガジンZコミックス)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 28, 2007

夢枕 獏: サイコダイバー毒島獣太 3

人の精神に潜って精神治療をおこなうサイコダイバーを描いた作品。夢枕獏原作、伊藤ケイイチ画。

前から原作とは別物だったけれど、それがエスカレート。
すでに変なオレ様ヒーローものに。精神世界が舞台であることを良いことに必殺技も何でもあり。
原作の、SFだけれどアナログな職人っぽさが良かったのだけれど、それが一切感じられない。

幸いなことにこれが最終巻。やれやれ。

夢枕 獏: サイコダイバー毒島獣太 3 (3) (マガジンZコミックス)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 27, 2007

大塚 英志: 東京事件 1

昭和40年代を舞台に時空を超えた怪事件に取り組む歴史科学研究所を描いた作品。大塚英志原作、菅野博之画。

草加次郎事件、もく星号事件、三億円事件、光クラブ事件など戦後の謎を残した事件をタイムトラベルというヒキョーな手も使いながら解決していく。

大塚英志の最近の作品からすれば、美味しいところを寄せ集めた感じ。戦後の事件は「アンラッキーヤングメン」、もうひとつの歴史ネタは「リヴァイアサン」、その他...

背表紙には「1」とあるけれど、この先続けるだけのネタがあるか心配。

大塚 英志: 東京事件 1 (1) (角川コミックス・エース 49-4)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 25, 2007

ひらりん: 多重人格探偵サイチョコ No3

多重人格探偵サイコのパロディ4コマ集。

当然のように元ネタは新刊に合わせて新しくなっているものの、あまりに間が空きすぎてよく覚えていない。
パロディキャラの独自色もますます強く、それだけで面白くなっても来ている。

ただ、パロディを面白がるためにサイコの方を読み返したくなるのは困りもの。

ひらりん: 多重人格探偵サイチョコ No3 (3) (角川コミックス・エース 101-3)

ひらりん: 多重人格探偵サイチョコ No3 (3) (角川コミックス・エース 101-3)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 24, 2007

大塚 英志: 黒鷺死体宅配便 7

仏教系大学の有志が集まって設立した死体運び業の話。

このところ影の薄くなっていた主人公・唐津九郎(特技・口寄せ)が守護霊・やいちと共に、その出生の秘密に迫る巻。

とはいえ、活躍するのは周りの仲間の方だったりするけれど。

耳男がぷりてぃ。

大塚 英志: 黒鷺死体宅配便 7 (7) (角川コミックス・エース 91-12)

大塚 英志: 黒鷺死体宅配便 7 (7) (角川コミックス・エース 91-12)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 20, 2007

FLAG Director's Edition 一千万のクフラの記録

女性戦場カメラマンの姿を描いたアニメーションのディレクターズカット版。初見。

駆け出しのカメラマン白州冴子は、内戦の続くアジアの小国で一枚の写真を撮影する。
その写真によって全世界に知られることとなった戦士たちが戦場で掲げた旗(フラッグ)は、一躍国連の和平交渉のシンボルとなる。

再度、小国に戻った冴子は国連からの依頼で秘密作戦の報道官として前線基地に配置される。
一方、冴子の先輩カメラマンである赤城圭一は、首都に残り国の抱える宗教対立や儀式を取材していく中で、前線に送り込まれている冴子の姿を見る。

全編に渡って、冴子もしくは赤城の撮影しているスチルもしくはビデオ映像の形で描かれているのはアニメとしては新鮮。
ディレクターズカット版と言うことで、多分に注目されるべきメカ関係の描写は最小限に抑えられており、当たり前の兵器として描写されている。

ストーリーも多少難しい政治抗争などの描写はあるものの、ハード近未来アニメーションの売り文句に違わない出来となっている。

主人公・冴子の声優として田中麗奈が演じていることも注目だったらしいが、明らかに周りと比べて下手であり、設定の初々しさを感じさせることを狙ったとは言い訳にしか聞こえないレベルになっている。

Blu-ray版の特典は「もう一つのFLAG」という監督とアニメ評論家による対談とオリジナル連続ものバージョンのダイジェスト。
画質は劣るが、メカ関係の映像はこちらで観ることができる。

: FLAG Director's Edition 一千万のクフラの記録

FLAG Director's Edition 一千万のクフラの記録

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 16, 2007

西 炯子: ひらひらひゅ~ん 1

高校弓道部を舞台にしたオムニバス作品。

個性ある面々の恋模様や友情や弓道の本質などをギャグ織り交ぜながら描いている。
いずれの作品も男子目線ながら、違和感はなく、思春期男子の女子が何を考えているか分からない感じが良く出ている。

西 炯子: ひらひらひゅ~ん 1 (1) (WINGS COMICS)

西 炯子: ひらひらひゅ~ん 1 (1) (WINGS COMICS)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 15, 2007

保木 邦仁: ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか

第16回世界コンピュータ将棋選手権大会を優勝し、プロ棋士と公開対局を行った将棋ソフト「ボナンザ」の開発者・保木邦仁氏と、その公開対局での対戦相手渡辺明竜王との共著。

この公開対局をリアルタイムでは知らなかったのだけれど、その後のニュースを読み、また偶然NHKのテレビ番組を観て、大変面白く感じていた。

本書では保木氏側から「ボナンザ」の開発に至る経緯とそのコンセプトが、渡辺竜王からは対局に至るまでの準備と意気込み、実際の対局の状況解説が述べられ、構成されている。

保木 邦仁: ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21 C 136)

保木 邦仁: ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21 C 136)

Continue reading "保木 邦仁: ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 14, 2007

男の生活

中崎テツヤの原作を実写映像化した作品。初見。

演じるのは板尾創路、木下ほうか、三浦アキフミの面々。
仕事をせず、上司の文句を言い、常にもてたいと考えているサラリーマンの生態を下ネタも織り交ぜながらシュールに描く。

爆笑と言うより、くすぐる感じが多いが、中で面白かったのは「悲しき思い出」か。

映像特典はメイキング映像の他、木下ほうか監督による空き時間を利用した別作品も収録。
出演者のインタビューによると撮影は二日間だったようだが、その合間にもう一本出演者が撮るって、どんな撮影現場なのかと思ったり...

: 男の生活

男の生活

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 13, 2007

山田 芳裕: デカスロン 6

陸上競技のひとつ十種競技に挑む選手の話。文庫化第6巻。

日本選手権第1日目最終種目と第2日目の三種目途中まで。

十種競技だと、一種目で勝負がついても次で取り返せたり、トラック種目ではスピーディーに、フィールド種目ではじっくりと描くことができたり、それが有効に生かされている印象の巻。

なかなか終わらない印象はあるものの、決して間延びしていないのは、やはり競技の選び方の勝利か。

山田 芳裕: デカスロン 6 (6) (小学館文庫 やB 16)

山田 芳裕: デカスロン 6 (6) (小学館文庫 やB 16)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 09, 2007

FREEDOM 4

月面都市に生きる少年たちを描いたアニメーション作品。

カップヌードルのCMに端を発したFREEDOM projectの本編として制作されたもの。

前巻のラストで地球へ旧型ロケットで向かったところから始まり、地球上での冒険が描かれる。

フロリダを目指して突入するが、ラスベガスに着陸し、そこから陸路フロリダを目指す。
その道行きの冒険譚になるが、不思議なことに現在放映されているカップヌードルのCMのシーンが見られない。
展開上は、次の巻でそのシーンが描かれるとは思えないのだが。

映像特典はスタッフの座談会。前巻までに比べるとかなりお得感は薄い。

: FREEDOM 4

FREEDOM 4

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 08, 2007

ハゲタカ DVD-BOX

2007年2月にNHKで放送された連続経済ドラマのDVD化。

米系投資ファンド・ホライズンの日本代表として赴任した鷲津(大森南朋)は、国内大手銀行の債権処理に関わる中でかつての上司・芝野(柴田恭兵)とことあるごとに対立していく。

いくつかの債権処理に関わる中で、経営の傾いた旅館の跡継ぎ息子(松田龍平)がIT企業の経営者として、銀行員時代の鷲津が貸し剥がしによって首を吊った工場経営者の娘(栗山千明)が報道記者として、鷲津や芝野の前に現れる。

銀行がこれまでに無理矢理貸し出して不良化している債権の処理にファンドが使われ、銀行が付き合いや人情の名の下に手を付けられなかった債権をファンドに押しつける構図や、ファンドが傾いている経営を再建するために無能で会社を私物化している経営者をすげ替える様子などがリアルに描かれる。

: ハゲタカ DVD-BOX

ハゲタカ DVD-BOX

Continue reading "ハゲタカ DVD-BOX"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 07, 2007

拝啓、父上様 DVD-BOX

東京・神楽坂の老舗料亭を舞台にした2007年放送の青春ドラマ。倉本聰脚本作品。

ストーリーは料亭の建て直しを図る女将(岸本加世子)と、それに反対する大女将(八千草薫)の対立、主人公である若い板前(二宮和也)の恋愛模様が描かれる。

料亭を巡る対立には、街のありようなども絡み、どちらに与するのかの戸惑いは考えさせられる。

その一方で主人公の恋愛模様は拙く魅力が感じられない。
フランス語縛りのデート、高級レストランで極度の緊張と失敗、勝手な思い込みから約束を平気で反故にするなど、お寒い限り。

本編は6枚のディスクに収められ、特典として1枚が独立してパッケージになっている。
特典は制作記者会見、セット紹介、神楽坂ロケ地紹介、クランクアップの様子、キャスト・スタッフ紹介など。
神楽坂ロケ地紹介は料亭の娘役だった福田沙紀がナビゲートしており、場所も割とメジャーなところばかりで目新しさはない。

: 拝啓、父上様 DVD-BOX

拝啓、父上様 DVD-BOX

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 06, 2007

戸田 邦和: 龍時

U-16サッカー日本代表の補欠として出場した試合に認められスペインに渡った少年の話。3・4巻同時発売を一気読み。

この2冊では、スペインに渡って慣れない環境と食事、自分を外国人(アジア人)として見る周りの選手たちとの連携などが描かれる。
試合は公式戦2戦目の途中まで。しっかり描きたいというのがあるのかもしれないけれど、やはり長すぎ。

スペインの様子は雰囲気が伝わってくるけれど、肝心のゲームのシーンは今ひとつ。
作品の中で俯瞰の視線というくだりが出てくるにも関わらず、絵にピッチ全体を見渡したような構図がなく、いつも主人公のアップばかり。
まるで日本テレビの中継のよう。

小説では文章が元々持つストイックさの中に熱さが感じられたが、やはり絵になってしまうと熱さばかりが目立ってしまい、主人公の我が侭で融通の利かないところだけが目立ってしまう。

それでも、続きは読んでしまうのであろう。

戸田 邦和: 龍時 3 (3) (ジャンプコミックスデラックス)

戸田 邦和: 龍時 3 (3) (ジャンプコミックスデラックス)

戸田 邦和: 龍時 4 (4) (ジャンプコミックスデラックス)

戸田 邦和: 龍時 4 (4) (ジャンプコミックスデラックス)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 02, 2007

佐藤 秀峰: 新ブラックジャックによろしく 2

若い研修医の悩みと活躍を描いた作品の移籍に伴う新シリーズ第二弾。

前巻から主人公の研修先は泌尿器科。けれど、話は研修先ではなく、先輩看護婦である赤城の病から臓器移植へと移っていく。
自分の臓器を移植したい(腎臓なので2つある)、と考える主人公に対し、倫理、医学、法律、そして恋人である看護婦・皆川との関係が立ちはだかる。

元々実直でアツい研修医の姿を描いた作品ではあるのだが、今回は主人公の思いに対して周りの誰も賛同していないばかりか、不幸にするばかりというただひたすらに迷惑な存在となっている。

いくら何でもこの主人公に感情移入して応援する気にはならないなぁ...

佐藤 秀峰: 新ブラックジャックによろしく 2 (2) (ビッグコミックススペシャル)

佐藤 秀峰: 新ブラックジャックによろしく 2 (2) (ビッグコミックススペシャル)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 01, 2007

おかざき 真里: サプリ 6

広告代理店に勤める女性の話。第6巻。

相変わらず恋愛はスッキリ行かず、それを仕事で紛らし、仕事での大きなトラブルに直面して疲れたら、魚を飼って癒されようと思ったり、そんな主人公の姿を描く。

そんな主人公はさておき、周りが勝手に盛り上がって敵視したり、援護射撃したり、と言った具合。

それぞれによく描けているけれど、爽快感はまったくもってなし。

おかざき 真里: サプリ 6 (6) (Feelコミックス)

| | Comments (0) | TrackBack (1)

« July 2007 | Main | September 2007 »