能田 達規: オーレ! 5
地方公務員が地元プロサッカーチーム上総オーレのスタッフとして運営に関わっていく話。最終巻。
最終巻は主人公・中島のエピソードのみで試合模様は一切なし。
チームのために、というより地域のために、と地方公務員の発想で考えていた中島もサッカーチームが地域のためになる存在になると感じ始め、どうすればより良くなっていくのかを模索する。
その中で、助っ人・レネに呼ばれて行ったドイツで見るサッカーを始めとするスポーツに関わる行政を含めた理想的とも思える環境、そして上総オーレ創設の経緯も知り、ますますチームへの想いを強くしていく。
最終話は、そして何年後・・・、というお決まりのパターン。雑誌連載時にはあまりに予想通りで笑ってしまうほどだった。
単行本化に当たって、描き下ろしが追加されているが、最終話を補完するエピローグに当たるもの。
ある意味でのサッカークラブの理想型を描かれているが、登場する人物たちのようにあまりに理想型過ぎて実感がない印象を持つのは果たして良かったのか。
どこか未来につながる道筋というものを登場人物たちにも見せて欲しかった。
エピソードの中では、主人公・中島が決意を固めたときに、アクアラインの完成に半生を捧げた父親と会話するシーンは泣かせる。
サッカー好きはもちろん、そうでない人にも読んでもらいたい全5巻。
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