小川 一水: 時砂の王
時空を越えて謎の侵略者ETと戦う人類を描いたSF作品。
謎の存在から侵略を受けた人類は太陽系の果てに追いやられてしまう。
ようやく反撃の糸口を見出した人類だったが、謎の存在ETは時間を過去に遡り、過去の人類へ攻撃を仕掛けようと時を越えた。
人類は知性体を作り出し、ETを殲滅し、人類を救うべく過去へ向かわせる。
主要な舞台を邪馬台国に設定し、卑弥呼の前に未来から知性体が現れるところから物語が始まる。
ETの存在、それに抗う知性体の存在により歪められる歴史は、偽史もののようでも、仮想戦記物としても読める。
ETの側にも時を越える際に兵器などの物量を持ち込ませず、その時代で物資を調達しなければならない設定を持ち込んだ点が、戦いを拮抗したものとしている。
また、時間を遡り歴史を書き換えることによるタイムパラドックスも時間枝という考え方で人類が滅亡する枝と判断された時点でもっと根本に近い枝の分岐に移るという戦術もSF的な禁じ手を逆手に取るようで面白い。
主要な舞台を設定しながら、章ごとに他の時代を飛び回るストーリー展開もスリルがあり、ラストに至るまで面白く読める。
ただ、難を言えば最後の数行は少々ロマンチシズムをはき違えているような印象も受ける。









































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