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February 18, 2008

春日 武彦: 問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ

精神科医の著者による躁病もしくは躁的な行動についてまとめた本。

「躁鬱」などと呼ばれて知っている人は少なくないものの、「鬱病」が病気としての認知と理解が進んできたのに対し、「躁病」についての理解や認識が進んでいるとは言い難い。
一般的な認識としては、「暗くなって自殺してしまうかもしれない」鬱病に対して、躁病は「明るくて大らか」くらいではないだろうか。
著者はそうした一般的な認識を意識しながら、病としてはより深刻な躁病について啓発する意図が読み取れる。

人は誰しも不安に思ったり、自信を失ったりすることがある。
躁病はそうした感情がまったくない状態であり、それゆえに相手がどう思っているかも考えずに話しまくり、あとさき考えずに高額な買い物をし、性的にも恥じらいなく露骨な表現で露わにする。
地道な努力をすることはなく、壮大なアイディアに心酔し実際に行動に移すが、飽きっぽく完遂することはない。
そのために失う信用や経済的損失の点で鬱病よりやっかいであるとしている。

著者は鬱病が「心が風邪をひく」という表現になぞらえて、躁病を「心が脱臼する」と表現し、読者に分かりやすい事例としていくつかの有名人のエピソードや事件を紹介しながら、そこに潜む躁病的な気質というものを挙げていく。

躁病という病について理解が進めば、そうした不可解な事件に至る動機についても理解が進むだろうという指摘は興味深い。
人が鬱病的気質を誰しも持っているとするならば、躁病的な気質も誰しも持っているとはいえ、それと病との間にはやはり大きな隔たりがあり、そうした人の精神構造の突出した部分を知っておくにはよい本。

春日 武彦: 問題は、躁なんです   正常と異常のあいだ (光文社新書)

春日 武彦: 問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)

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