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April 10, 2008

あさの あつこ他: Field,Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

6人の作家によるアスリートを主人公とした書き下ろしの短編を集めたアンソロジー。

あさのあつこ『ロード』:妻を亡くした元陸上選手の回想。ふたりの出会いが中心でスポーツシーンは少ない。

川島誠『サッカーしてたい』:養護施設に入れられたサッカー好きな双子の兄弟の話。ふたりの独り言が交互に章立てになっているなど独自性も目立ち、試合のシーンもそれなりに緊迫感が感じられる。

川西蘭『風を運ぶ人』:実業団自転車部のジュニアチームに所属する高校生ロードレーサーの話。同作者の作品である『セカンド・ウインド』からのスピンアウト作品となっている。

須藤靖貴『氷傑』:実業団アイスホッケーチームに所属するゴーリーの話。巻きこまれたトラブルと解雇通知から身の振り方を考えるまで。恋人との関係などもう少し深みがあっても良かった。

五十嵐貴久『バトン』:陸上部に所属する女子高校生の話。リレーで出場する高校最後の大会を前に、恋人であるメンバーとの間で起きるトラブルを描く。ストーリーは予定調和でちょっと厳しさのない甘い印象。

小手鞠るい『ガラスの靴を脱いで』:想いを寄せるパートナーとの別れをきっかけに引退を考えたフィギュアスケーターがニューヨーク旅行を通して行く末を探し出す話。自分探しの旅というシチュエーションもさることながら、スポーツシーンがまったく出て来ないのは考えもの。

個人的には川西蘭の作品を目当てに買った本だったが、分量的にも質的にも川西蘭の作品が抜けている印象を受けた。
スポーツの描写は確かだし、レースシーンは緊迫感もあり、それでいて選手のプライベートな出来事も読ませる。
早く『セカンド・ウインド』の続編が読みたくなる。

あさの あつこ: Field,Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

あさの あつこ他: Field,Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

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