榛野 なな恵: Papa told me~街を歩けば
文筆業のお父さんと小学生の女の子という父子家庭の話、と書くとかなり印象が違うが。
27巻まで刊行されて以降、連載もされているのかよく分からない状態が続いていたが、新作がまとめられて、けれど28巻ではない形で刊行された。
収められた7編は、いずれもファンにはお馴染みのイギリスっぽい雰囲気のファンタスティックなエピソードばかり。
とても微笑ましいもので、納得の内容となってはいる。
ただ、これまであったような、厳しい現実や偏見、それに抗うような視線はなりを潜めている。
学校生活の中の決して良いことばかりではないエピソードもまったく出て来ない。
お父さんに近しいところでは北原さんも出て来ない。
どちらかと言えば、初めてこの作品に触れる人たち向けなのかもしれない。
それでも、この作品に込められた魅力が十分とは言えないことも指摘しておきたい。
また、紙質が軽くなっていることも気になった。
Comments