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September 13, 2008

おかざき 真里: サプリ 7

広告代理店に勤める女性の話。第7巻。

これまでは仕事も恋もうまく行かず、ひたすらストレスが溜まる主人公の姿を見せつけられていたけれど、この巻ではとりあえず恋がうまく行って、その好影響で仕事もうまく回るという主人公の珍しい状況が見られる。

それではあまりに面白くないからか、うまく行っている主人公の周りで苦しんでいる人々の姿が多く描かれている。
そんな周りのトラブルに主人公がたじろぐかと思いきや、毅然とした態度で立ち向かってしまう。

そんな主人公をこれまでの読者はどう感じるのだろう、と心配になってしまう。

おかざき 真里: サプリ 7 (Feelコミックス)

おかざき 真里: サプリ 7 (Feelコミックス)

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September 12, 2008

河合 克敏: とめはねっ!

高校書道部の部活動風景を描いた作品。既刊の3巻までを一気読み。

典型的な文化系と思われがちな書道部の、アグレッシブで活発な活動風景を奥深さと共に気持ちよく描いている。

女子ばかりで部の存続も危ない部員しかいない書道部は新入生から1人の男子を迎入れる。
この乗り気でなく仕方なく迎入れる感じが良い。
そしてまた、男子を帰国子女とした設定がまた良し。
自然と書道は初心者となるし、日本の話題もなかなかついて行けない。ただ、祖母とのやり取りで字を書くことはできるし、書道に取り組む姿勢も真剣だ。

パッとしない男子が実は、というのは少年マンガの王道だけれど、この設定に持ち込むまでが一筋縄ではいかない。そのパッとしない理由も、実は・・・の理由も帰国子女としたことで違和感なくはまっている。
あとは男勝りの活発な同級生の女子と、真面目な先輩、ちゃんらんぽらんだけれど奥が見えない先輩、ライバル校、師匠などが揃っていくと話はいくらでも面白く展開していく。

実はよく知らない書道の歴史や言葉、作法や技術なども、帰国子女の男子の目線で恥ずかしいことなく知っていくことができる。

ただ、現実の高校生目線にしたために、ピンクレディーをまったく知らないというリアルなエピソードはとても哀しく感じられてしまうのだった。

河合 克敏: とめはねっ! 鈴里高校書道部 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

河合 克敏: とめはねっ! 鈴里高校書道部 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

河合 克敏: とめはねっ! 鈴里高校書道部 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

河合 克敏: とめはねっ! 鈴里高校書道部 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

河合 克敏: とめはねっ! 3 (3) (ヤングサンデーコミックス)

河合 克敏: とめはねっ! 3 (3) (ヤングサンデーコミックス)

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September 11, 2008

金子 達仁: 古田の様

2007年に引退した野球選手・古田敦也捕手について本人と周辺へのインタビューを元に構成されたドキュメンタリー。

前半は捕手としての古田敦也が如何にすごかったかということをキャッチングの技術、打者ごとに守備位置まで指示していたという頭脳面について。
阪神・矢野捕手のインタビューから構成されるキャッチング技術には興味深いものがあるが、いかんせん文字だけでは把握しづらい。
こういう内容はやはり映像で見たいところ。

後半は選手会会長として近鉄・オリックス合併に伴う球界再編騒動とストライキを断行したことについて。
この辺は時系列と共に、中日・山本昌、巨人・高橋由伸、当時ロッテ球団社長だった瀬戸山へのインタビューで事の真相を明らかにしていく。
特に瀬戸山の言葉は、騒動を再編させようという経営陣側からの見方として大変興味深い。
その中では、噂に過ぎなかった事柄が現実に進行していたことが語られており、さらには悪役を一手に引き受けながら、本人は結局矢面に立たされただけという哀しいエピソードが紹介されている。

古田を語る上で、球団再編騒動は避けて通れないものであることは確かだが、この辺は古田の人となりと、選手としての古田と、分けて欲しかった気がしないでもない。
それだけ球団再編騒動については面白いし、独立させられそうな内容でもある。

金子 達仁: 古田の様

金子 達仁: 古田の様

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September 10, 2008

石黒 正数: ネムルバカ

大学の女子寮に暮らすバンド活動に明け暮れる先輩と地方から出てきて迷いのある後輩の話。

ある程度、世間を分かりつつ、それに抗おうとする先輩と、なかなか先の目標も見えづらい現実に戸惑っている後輩の、ゆるい感じのコミュニケーションが絶妙。

時折見せる暴発もまたよし。

設定の割にセクシャルな部分がないところも最近では珍しいかも。

石黒 正数: ネムルバカ (リュウコミックス) (リュウコミックス)

石黒 正数: ネムルバカ (リュウコミックス) (リュウコミックス)

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September 09, 2008

さそう あきら: おくりびと

オーケストラの解散に伴い故郷に戻ってきた音楽家夫婦の話。

妻はピアノ教室を始めるが、チェリストの夫は広告で見た人材募集に応募し、納棺屋を始める。

家族や葬儀屋が死体の納棺を嫌がるようになったことで生まれた納棺屋という商売は、人々から疎まれる存在であったため、夫婦関係もぎくしゃくしてくる。
しかし、こなす内に夫は人の死に接する仕事に興味を持ち始める。

ありていに言ってしまえば仕事に貴賤なしというストーリーだけれど、絵柄に雰囲気が良く合っている。
同名作品の映画も公開されるが、どちらが先なのか、ストーリーや設定のどこまで共通しているのかは不明。

さそう あきら: おくりびと (ビッグコミックススペシャル)

さそう あきら: おくりびと (ビッグコミックススペシャル)

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September 08, 2008

夢枕 獏: キマイラ 4 涅槃変・鳳凰変

その体の中に異形のものを飼っていることを感じ始める少年の話。1986年、1987年に文庫で刊行され、2001年の単行本化を経て、新書版となって刊行された第四巻。

文庫本2巻をまとめて一冊となっているが、ストーリーは前巻に増して動かず。
菊地の存在感がより強くなり、巫炎が雲斎のもとを訪れ、主人公について重大な真実を伝えて終わり。

このあとは昔話になるはずだが...

夢枕 獏: キマイラ 4 涅槃変・鳳凰変 (ソノラマノベルス)

夢枕 獏: キマイラ 4 涅槃変・鳳凰変 (ソノラマノベルス)

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September 06, 2008

志水 アキ: 魍魎の匣 (2)

京極夏彦の原作を志水アキの画によってコミカライズされた作品。

前巻どこまで進んだのか、原作を読んでいない人にも困らないように、回りくどい会話が何ページにもわたって繰り返されたり、登場人物が事件を振り返って主要人物を整理してくれたりもする。

その意味に於いて、大変親切で先を考えなければ面白く読むことができる。

志水 アキ: 魍魎の匣 (2) (怪COMIC)

志水 アキ: 魍魎の匣 (2) (怪COMIC)

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September 02, 2008

夢枕獏: 新・魔獣狩り 11 地龍編

空海の残した秘法、蓬莱山の黄金、そして鬼道の力を巡る冒険譚。第11巻。

しばらく前から、誰と誰がどうなって、何が起きているのか分かりにくい状況にはなっているものの、説明にならない程度に本文中にこれまでの経緯を振り返るような台詞やト書きがあるので、そのシーンを理解することだけは難しくはない。

ラストにいよいよ完結編へ、とあるように確かに完結に向けての動きは感じられる。
ただ、(多分)新たに平賀源内を登場させ、狂言廻しに使うなど、あまりストーリーが整理されていく気配はない。

主要人物でも登場していないこともあるし、裏の隠された秘密や設定が表に現れることは確かだろうが、ストーリーの本筋が収まり付くようには感じられなかったりする。
とはいえ、再来年くらいには一気読みの機会は得られそうではある。

夢枕獏: 新・魔獣狩り 11 地龍編 (ノン・ノベル 850 サイコダイバー・シリーズ 23)

夢枕獏: 新・魔獣狩り 11 地龍編 (ノン・ノベル 850 サイコダイバー・シリーズ 23)

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September 01, 2008

唐沢俊一: 血で描く

発禁・回収となった幻の貸本漫画を巡る話。

世の中を恨んでいった作者が残したとされる貸本漫画「血で描く」は呪いの本として、古書業界で伝説となっていた。
それをひょんなことから手に入れた若者の身の回りで起きる不思議な出来事。
本を何としても手に入れようとする古書マニア、そして事件は起きる。

父親から古書店を受け継いだ若い女性、出版史専攻の大学教授などが登場し、事件の解決に向かおうとするが、どれも主人公としては今ひとつ。
誰かに感情移入して読む作品ではない。

途中で挿入されている河井克夫の漫画も効果的、というにはちょっと微妙。
奇をてらっているという程度の効果はあるだろうけれど。

作者お得意の古書業界に関する知識が散りばめられているのは面白いけれど、話としては今ひとつな感は否めない。

唐沢俊一: 血で描く (幽BOOKS)

唐沢俊一: 血で描く (幽BOOKS)

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