正吉良 カラク: カグツチ 下
石黒耀『死都日本』を原作にした火山噴火による災害もの。
九州霧島連山を舞台に、独立した火山群の地下にある巨大火山がついに破局噴火を起こしたところから下巻は始まる。
あとはひたすら災害の大きさが描かれるカタストロフと、たまたま近くに来ていた主人公の少年少女たちが生き延びていくサバイバルものとなる。
火砕流が鹿児島や宮崎に押し寄せ、ほぼ全滅し数百万という死者を出し、九州が壊滅状態となり東京にも危機が近付いていると描かれる一方で、主人公たちが奇跡的に危機をくぐり抜けていく様はあたかもハリウッド映画のよう。
危機が去ったわけではないのに、妙に前向きなエンディングもやはりハリウッド映画のよう。
とはいえ、映画化するには壊滅する九州からの反発は必至だろう。決して嘘ではなく、貶めるものでもないのだろうが。
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