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May 22, 2009

郷田 マモラ: サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇

裁判員に選ばれたフリーターの話。

職を失い、ネットカフェを転々としていた主人公は一度戻った実家で裁判員に選ばれたことを知る。
日当目当てに出向いた裁判所で受け持つことになったのは同じ歳の引きこもりの青年が被告となった3人殺害という事件だった。

自供もして事実認定を争わないという公判で、弁護士は犯行の舞台となった住宅街で被告の家族に対して行われた周辺住民の嫌がらせを争点に持ち出す。

嫌がらせはあったのかなかったのか、犯行動機はなんなのか。
数々の証人の証言を聞きながら、裁判員たちは討議を深めてゆく。

そして被告が好きだというアニメ作品を通して、主人公は裁判員の立場から親近感を覚えてゆく。

こんな感じの上巻はまだしも、いよいよ結審という下巻は様々な要素を盛り込みすぎという印象。
どうやらこの作品はテレビドラマ化されるそうだが、クライマックスに向けての展開はなるほどテレビドラマ向きの爽快感に溢れている。
ただ、そのカタルシスはテレビドラマでこそ誤魔化せるだろうが、じっくり読めるコミックの形ではどうしてもご都合主義な印象は否めない。
主人公にとって周りの何もかもがクリアになっていく様は、あまり裁判員制度の問題点を浮かび上がらせている感じがしないのではないか。

郷田 マモラ: サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (2) (アクションコミックス)

郷田 マモラ: サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (2) (アクションコミックス)

郷田 マモラ: サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 上 (1) (アクションコミックス)

郷田 マモラ: サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 上 (1) (アクションコミックス)

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May 21, 2009

柴田 ヨクサル: ハチワンダイバー 11

プロ棋士への夢を絶たれ、賭け将棋で生きる"真剣師"として生きていこうとする青年の話。

地下道場からの脱出を賭けて最後の強敵に挑む主人公。
そして外からは主人公が放り込まれた真剣師の組織"鬼将会"を目指してアキバの受け師と澄野が乗り込みをかけようとする。

何が何だかわからないレベルの戦いになっているが、とりあえず将棋の勝負が続いているだけ面白い。

柴田 ヨクサル: ハチワンダイバー 11 (11) (ヤングジャンプコミックス)

柴田 ヨクサル: ハチワンダイバー 11 (11) (ヤングジャンプコミックス)

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May 20, 2009

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集

たがみよしひさの短編や連作をまとめた文庫版の作品集。全3巻を一気読み。

ほとんどが読んだことのあるもので、単行本化されていなかった作品も多く、ただひたすら懐かしい。

長い年月にわたっている作品を網羅しているので絵柄の変遷は激しく、見慣れないと取っつきにくいかもしれない。

単行本化されていなかった中では、『滅日』にもつながる『HARD』、大塚英志が評論の中でゲームコミックのあり方として評価していた『K.I.E』などが注目作品か。

好みとしてはSFにカテゴライズされているものと、『アフリカの太陽』『フェダーイン』シリーズを挙げておきたい。

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集 1 SF・ホラー編 (1)

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集 1 SF・ホラー編 (1)

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集 2 ミステリー編 (2)

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集 2 ミステリー編 (2)

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集 3 アクション・ドラマ編 (3)

たがみ よしひさ: たがみよしひさ作品集 3 アクション・ドラマ編 (3)

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May 19, 2009

夢枕 獏: キマイラ 7 梵天変・縁生変

その体の中に異形のものを飼っていることを感じ始める少年の話。1994年、1998年に文庫で刊行され、2001年の単行本化を経て、新書版となって刊行された第七巻。

巻頭には多くの主な登場人物の紹介が長々と載っているが、この巻では主要人物はほとんど登場しない。
大鳳吼も久鬼麗一も、キマイラすら出てはこない。

久鬼玄造が九十九三蔵、吐月、宇名月典善、菊地良二に語って聞かせるエピソードが全編に渡って描かれている。

若かりし日の久鬼玄造が梶井知次郎と出会い、馬垣勘九郎という中国武術をたしなむ老人を紹介され、本と包みを託され、馬垣の死に際し、梶井とともに託された能海寛の『西域日記』、橘瑞超の『辺境覚書』という未発表の日記を読み進めるという形式でエピソードは進む。

瑞超のエピソードの中に若き馬垣勘九郎が登場し、盗賊の頭である王洪宝と自分たち親子の関わりを語る段まで来て以下次巻。

人の語っている話の中で読まれている日記の中に登場してくる人物の昔話という、入り組んだ構成ので本筋はちっとも進まず。
本筋を忘れないようにせねば。

夢枕 獏: キマイラ 7 梵天変・縁生変 (ソノラマノベルス)

夢枕 獏: キマイラ 7 梵天変・縁生変 (ソノラマノベルス)

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May 18, 2009

曽田 正人: MOON 3

天才バレエダンサーを描いた作品。同じ作者の「昴」の続編となる新作。

前巻で日本公演に際し幼い日の映像を流され衝撃を受けたスバルに、肉親からも無邪気な言葉の刃を向けられる。
そのまま逃げ出そうとするスバルだが、パートナーであるニコの言葉にともに舞台に向かう。

まぁ、舞台で見返すことは予想された展開だし、その観客を圧倒するエピソードがいまひとつ分かりにくく、説得力に欠ける。

曽田 正人: MOON 3 (ビッグコミックス)

曽田 正人: MOON 3 (ビッグコミックス)

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May 17, 2009

高屋 良樹: 強殖装甲ガイバー (26)

悪の組織クロノスと戦う少年の話。第26弾。

新宿での長い戦いを終えて、ガイバー自体はこの巻に登場せず。
クロノス内に女ガイバーや謎の存在”アポルオン”が新たに登場するなど、インターミッションでネタ振りな雰囲気の巻。

高屋 良樹: 強殖装甲ガイバー (26) (角川コミックス・エース 37-26)

高屋 良樹: 強殖装甲ガイバー (26) (角川コミックス・エース 37-26)

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May 16, 2009

神楽坂 淳: 大正野球娘。 (1)

大正時代の東京を舞台に、男子に野球で戦いを挑む女子学校の生徒たちを描いた作品。神楽坂淳のライトノベルを伊藤伸平によるコミカライズ。

キャラがそれぞれに立っていて、織り交ぜられるギャグもタイミング良く、とても面白く読める。
原作を読んでいないので、原作ファンがどういう感想を持つかは想像もできないけれど。

アニメ化もされるらしいが、その絵柄を見て、コミックを読んだ限りでは、コミックより面白くなるとも思えず。

神楽坂 淳: 大正野球娘。 (1) (リュウコミックス)

神楽坂 淳: 大正野球娘。 (1) (リュウコミックス)

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May 15, 2009

桑田 乃梨子: ふたごの妖精りるるとるりり 1

宮大工を目指す草食男子の元に妖精の姉妹がやってくる話。

設定だけを見ればファンタジーものっぽいが、妖精が簡単に願いを叶えないところや、のんびり家に居着いてしまう ところは作者得意の脱力系。

これでどれだけつなげるのか心配になるくらいだが、意外にもこれが面白いままつながっていく。
結構長くやったりするのかな。

桑田 乃梨子: ふたごの妖精りるるとるりり 1 (1) (ワイドKC キス)

桑田 乃梨子: ふたごの妖精りるるとるりり 1 (1) (ワイドKC キス)

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May 14, 2009

ちみ もりを: 冥王計画ゼオライマーΩ (1)

ちみもりをの「冥王計画ゼオライマー」の続編としてちみもりをの原作、ワタリュウの作画により描かれた作品。

古い作品のリメイクや続編は少なくないが、他人の絵による続編というのは珍しいかもしれない。

ロボット漫画というのも最近は珍しく、古めかしさは否めないが、絵柄を新しくしているのが新鮮でもある。
これからは設定次第というところか。

ちみ もりを: 冥王計画ゼオライマーΩ (1) (リュウコミックス)

ちみ もりを: 冥王計画ゼオライマーΩ (1) (リュウコミックス)

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May 13, 2009

夢枕 獏: 大帝の剣 3

夢枕獏のアクション時代劇小説をコミカライズした作品。

見れば見るほど、どうやって書かれているのか不思議になるほどのリアルな描写と迫力ある動き。

ストーリー展開は多少早くなってきて、天草四郎が登場し、謎の女に目的地を指し示され次巻。

この辺までは原作でも覚えていたけれど、この後って原作はあっただろうか。
記憶があやふやなのだが、楽しみに待ってみよう。

夢枕 獏: 大帝の剣 3 (BEAM COMIX)

夢枕 獏: 大帝の剣 3 (BEAM COMIX)

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May 12, 2009

綱本 将也: GIANT KILLING 10

国内プロサッカーリーグの元スター選手が監督となって弱小クラブに戻ってくる話。

前巻との間でいつの間にかシーズンも進み、累積警告や怪我でレギュラーからの離脱が相次ぐ。
そこでクラブとしての一致団結を図りながら、川崎との対戦に挑む。

ベテラン勢でプランを組んで臨むETUだが、ハングリーさと監督への忠誠を持ち味にする川崎に先制されてしまう。
プランを読まれたことで戦い方を変えてきた川崎の攻勢が始まったところで次巻。

やはり試合のシーンがもっとも面白い。

綱本 将也: GIANT KILLING 10 (10) (モーニングKC)

綱本 将也: GIANT KILLING 10 (10) (モーニングKC)

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May 11, 2009

曽田 正人: capeta(カペタ) 19

4輪レーサーを目指す少年の話。

F3第2戦。同じルーキーの金田をファーストラップで追い詰めるが、ホームストレートでエンジンの性能差を思い知らされる。
腕でカバーできないマシン性能の差に歯がゆい思いをするカペタ。

それでもスーパーGTに参戦したり、タイヤメーカーのテストに呼ばれたりと、非凡な才能を見せつけながら活躍を続けていく。

今回は女っ気と源との対決はなし。

先般、アニメ版を一気に見たが、中盤まではかなり再現性は高かった。
後半は大幅に設定が変えられていたけれど、この巻あたりも忠実にアニメ化されるならば見てみたいかも。

曽田 正人: capeta(カペタ) 19 (19) (講談社コミックスデラックス)

曽田 正人: capeta(カペタ) 19 (19) (講談社コミックスデラックス)

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May 10, 2009

夢枕 獏: 餓狼伝 23

最強の座を賭けて戦う男たちの話の第23弾。

Amazonのデータでは作者としてクレジットされている夢枕獏原作小説のコミック化。
何巻か前から舞台は空手・北辰館主催のオープントーナメントになっているが、決勝がようやく決着。

エキジビションも、まぁそれなりにこなし、巻の後半は舞台を外へ移し、久し振りに主人公であるはずの丹波文七が道場破りを始めて以下次巻。

夢枕 獏: 餓狼伝 23 (23) (イブニングKC)

夢枕 獏: 餓狼伝 23 (23) (イブニングKC)

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May 09, 2009

樹 なつみ: ヴァムピール 3

事故で1分間心臓が止まったことで見えないものが見えるようになった少年の話。

という1巻の惹句はどこへやら。ヴァムピールの力やら合体やら、カンタレーラがどうとか、という話が延々と続く。
2巻にあった世直しっぽいエピソードもほとんどなく、自分たちの話だけになっているのがいまひとつ。

樹 なつみ: ヴァムピール 3 (3) (アフタヌーンKC)

樹 なつみ: ヴァムピール 3 (3) (アフタヌーンKC)

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May 08, 2009

川島 誠: Over the Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

6編のスポーツ小説からなるアンソロジー。

『競馬場のメサイア』 松樹剛史
地方競馬場の女性騎手とけがでサッカーを挫折した大学生の話。
良くできているけれど、出会いからの展開が拙速な印象。

『peacemaker サウンド・オブ・サイレンス』 小路幸也
中学の放送部コンビの話。
剣道部の代表争いを巡るトラブルを放送部ならではのバイタイリティで解決を図る。
スポーツ小説というよりは文化系の視点がメインなのはいかがか。

『アップセット』 須藤靖貴
アメフト部の学生が市の児童相談所で出会った少年との交流を描いた作品。
馴染みのないスポーツを伝えようとする様子と、少年が置かれた微妙な家庭環境が良く描かれている。
ラストも悲しくて良い。エピローグは余計だったかもしれないけれど。

『内緒だよ』 川島誠
飯場で育った少年の一人称によるバスケットボールとの出会いの話。
育ちの良くない不良の口調がなんとも。
ラストのオチもなんとも。

『見守ることしかできなくなくて』 誉田哲也
妹の代わりにスケート教室に参加した少年が将来有望な同級の女子選手を見て憧れる話。
同級生の控えめな視点や積極的になれない気持ちが良くできている。
ラストのオチもありがちとも言えるが、書き方がうまく気恥ずかしさは感じられない。

『ワンデイレース』 川西蘭
同じ作者の作品「セカンドウインド」からのスピンオフ作品。
この作品の主人公は南雲真一。受験を控えての市民レースに息抜きとして参加した様子を描く。
レース自体は主題ではなく、あくまでレースの周辺を巡る話題が主題なのだけれど、それを主人公の息抜きと相まってきちんと読ませる構成となっている。
それでも、本編を読んでいないとちょっとつらいかもしれない。

川島 誠: Over the Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

川島 誠: Over the Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

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May 07, 2009

奥瀬 サキ: ドロねこ9 (1)

奥瀬サキ名義では久々に出た新作。

内容はお得意の「人でないもの」が社会の裏側で暗躍する話。
それと学園ものの組み合わせだけれど、それがうまく生かされているかはまだ不明。

世直しものな感じもするけれど、その辺はいまひとつ。

奥瀬 サキ: ドロねこ9 (1) (バーズコミックス)

奥瀬 サキ: ドロねこ9 (1) (バーズコミックス)

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May 06, 2009

出渕 裕: 機神幻想ルーンマスカー

出渕裕による初期作品のファンタジーもの。

リュウでリマスター版というのを掲載するに当たって過去の作品を刊行したもの。
絵柄は若干古さを感じさせるが、なかなか雰囲気は出ている。
これがリマスター版でどう変わるのかは見もの。

同時にリュウの付録に付いていた出渕裕初期作品集の方が衝撃は強かった。
読んでいたものが多かっただけに。

出渕 裕: 機神幻想ルーンマスカー

出渕 裕: 機神幻想ルーンマスカー

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May 05, 2009

小山 宙哉: 宇宙兄弟 5

宇宙飛行士を目指す兄弟の話。

この巻ではJAXAの試験の終盤と、それからが描かれている。
後半はアメリカに渡り、弟の活動が中心。

大して話も動かず閑話休題な印象。

小山 宙哉: 宇宙兄弟 5 (5) (モーニングKC)

小山 宙哉: 宇宙兄弟 5 (5) (モーニングKC)

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May 04, 2009

西 炯子: 娚の一生 1

30代独身女性とかなり年上の男性が同居する話。

大手企業で働き、長期休暇を取るために祖母の家に来ていた主人公は、祖母の死に目に会い、かなりの田舎である祖母の家で在宅勤務のまま生活し始める。

そこへ祖母の知り合いという哲学科の大学教師がやってきて離れに住み始める。

実態はどうか知らないが、流行りとされている「カレセン」という言葉が帯に付いてしまうのは仕方のないところだろう。
そんな言葉には関心がないとしても、働く女性の視点と生活感、年を重ねた学者の物言いがとても良い組み合わせとなっていて、共感できるか否かは別にしても面白く読むことができる。

西 炯子: 娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

西 炯子: 娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

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