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May 08, 2009

川島 誠: Over the Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

6編のスポーツ小説からなるアンソロジー。

『競馬場のメサイア』 松樹剛史
地方競馬場の女性騎手とけがでサッカーを挫折した大学生の話。
良くできているけれど、出会いからの展開が拙速な印象。

『peacemaker サウンド・オブ・サイレンス』 小路幸也
中学の放送部コンビの話。
剣道部の代表争いを巡るトラブルを放送部ならではのバイタイリティで解決を図る。
スポーツ小説というよりは文化系の視点がメインなのはいかがか。

『アップセット』 須藤靖貴
アメフト部の学生が市の児童相談所で出会った少年との交流を描いた作品。
馴染みのないスポーツを伝えようとする様子と、少年が置かれた微妙な家庭環境が良く描かれている。
ラストも悲しくて良い。エピローグは余計だったかもしれないけれど。

『内緒だよ』 川島誠
飯場で育った少年の一人称によるバスケットボールとの出会いの話。
育ちの良くない不良の口調がなんとも。
ラストのオチもなんとも。

『見守ることしかできなくなくて』 誉田哲也
妹の代わりにスケート教室に参加した少年が将来有望な同級の女子選手を見て憧れる話。
同級生の控えめな視点や積極的になれない気持ちが良くできている。
ラストのオチもありがちとも言えるが、書き方がうまく気恥ずかしさは感じられない。

『ワンデイレース』 川西蘭
同じ作者の作品「セカンドウインド」からのスピンオフ作品。
この作品の主人公は南雲真一。受験を控えての市民レースに息抜きとして参加した様子を描く。
レース自体は主題ではなく、あくまでレースの周辺を巡る話題が主題なのだけれど、それを主人公の息抜きと相まってきちんと読ませる構成となっている。
それでも、本編を読んでいないとちょっとつらいかもしれない。

川島 誠: Over the Wind―青春スポーツ小説アンソロジー

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