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June 30, 2009

津田 雅美: ちょっと江戸まで 1

江戸幕府405年後という架空の世界を舞台に隠し子が江戸に出てきて非常識な行動でお騒がせする話。

隠し子や男として育てられた女の子、良家に預けられて騒ぎを起こす自然児、といった設定はありきたりとは言え、そこそこ面白く見せる。

ただ、それをなぜこのような舞台設定にしたのか疑問が残る。
別に今の年代に合わせたことによるトリックめいたエピソードは見あたらず、そのまま江戸時代でも違和感はなさそうに見える。

単に江戸時代にしてしまうと窮屈だとか、やりにくいといった後ろ向きな動機だったら評価はできない。
設定を生かした展開を期待したい。

津田 雅美: ちょっと江戸まで 1 (花とゆめCOMICS)

津田 雅美: ちょっと江戸まで 1 (花とゆめCOMICS)

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June 29, 2009

獣木 野生: 蜘蛛の紋様 (3)

1980年代のアメリカ西海岸を舞台にした大河ドラマ、パーム・シリーズの第32弾。最終章の第3巻。

パームファンにはお馴染みの初期エピソードが丹念に描かれている最終章。
この巻ではジェームスの牧場での生活が中心に描かれている。これまでは傷跡だけだったため、それらがひとつずつエピソードとしてつけられていく様はとても痛々しい。

また、後半にはカーターとジャネットとの出会いもあり。

パームシリーズファンにはお馴染みだけれど、新鮮で充実した印象のある巻。

獣木 野生: 蜘蛛の紋様 (3) (WINGS COMICS パーム32)

獣木 野生: 蜘蛛の紋様 (3) (WINGS COMICS パーム32)

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June 28, 2009

榛野 なな恵: Papa told me~私の好きな惑星

永遠の父子家庭、知世ちゃんと作家のお父さんを描いた作品の最新刊。

一時はファンタジー色がかなり強くなっていたシリーズだったけれど、この巻ではいくつかリアルな人の感情が表に出たエピソードも含まれている。

もとは世間の常識や人の無意識な悪意といったものをきちんと描いていた社会派っぽいところもあったのだけれど、それを少しだけ思い出させてくれた。

榛野 なな恵: Papa told me~私の好きな惑星 (クイーンズコミックス)

榛野 なな恵: Papa told me~私の好きな惑星 (クイーンズコミックス)

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June 27, 2009

よしなが ふみ: フラワー・オブ・ライフ 第1巻

よしながふみの学園ものの文庫化。

白血病による休学から復帰した主人公が、漫研に入り、一緒になる部員やクラスメートたちとなごやかな日常を過ごしながらもそこかしこにイベントがあって、笑いと涙が入り交じる。

繰り返し読んでも新鮮な印象を与える秀作。

よしなが ふみ: フラワー・オブ・ライフ 第1巻 (白泉社文庫 よ 4-4)

よしなが ふみ: フラワー・オブ・ライフ 第1巻 (白泉社文庫 よ 4-4)

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June 26, 2009

小山 宙哉: 宇宙兄弟 6

宇宙飛行士を目指す兄弟の話。

この巻も舞台はアメリカ。最終面接試験に挑む兄と月ロケット打ち上げが迫る弟の姿が、過去のエピソードを挿入しながら、対比的に描かれる。

良くできていて面白いけれど、こうやってまとめるとたいしたイベント性もないストーリーだな。

小山 宙哉: 宇宙兄弟 6 (モーニングKC)

小山 宙哉: 宇宙兄弟 6 (モーニングKC)

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June 25, 2009

ひぐち アサ: おおきく振りかぶって Vol.12

公立高校の新設野球部の話。

西浦高校の一年生野球部の面々は夏の甲子園を目指す全国高等学校野球選手権埼玉大会を勝ち進んでいる。

5回戦の相手は西浦高校を徹底的に研究しており、配球を読んで得点を重ねる。
守備面でも打撃の好みを分析され、チャンスを生かせない。

そうした分析されていることに気づき、西浦高校は徐々に挽回を始める。

挽回も一気に行かないところはリアルだけれど、裏の読み合いは少々まだるっこしい感じもする。
そういうのが楽しめる向きには良いのだろうが、恒例の巻末のルール解説を見ていると、実は当たり前に楽しんでいる野球のルールって初心者に分かりやすく教えるのって難しいんじゃないかという気がする。

ひぐち アサ: おおきく振りかぶって Vol.12 (アフタヌーンKC)

ひぐち アサ: おおきく振りかぶって Vol.12 (アフタヌーンKC)

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June 24, 2009

神楽坂 淳: 大正野球娘。 2

大正時代の東京を舞台に、男子に野球で戦いを挑む女子学校の生徒たちを描いた作品。神楽坂淳のライトノベルを伊藤伸平によるコミカライズ。

相変わらずギャグも小気味よく、それでいて恋愛やスポーツというイベントに向かって行く様がきちんと描かれていて気持ちがよい。

もしかするとギャグがマニアックでわかる人にしかわからないのかもしれないけれど。

アニメ化を控え、盛り上げていこうという動きはそこかしこに見られるが、どう見てもコミック版のようにキャラクターが描き分けられているようには見えないのだが、これで良いのだろうか?

神楽坂 淳: 大正野球娘。 2 (リュウコミックス)

神楽坂 淳: 大正野球娘。 2 (リュウコミックス)

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June 23, 2009

夢枕 獏: 闇狩り師

夢枕獏の伝奇小説を来留間慎一の手によりコミカライズした1980年代後半の作品の復刻版。

ストーリーはアイドルがストーカーに呪術をかけられたもの。それに夢枕獏の初期短編、菊地秀行の闇ガードが登場するコラボレーションものの短編。

いずれも読んでいたので目新しさはないが、冒頭のカラーページがきちんと再現されていたのは嬉しかった。

思えば、この絵が自分の中での夢枕獏作品のベースになっているようだと、改めて感じた。

夢枕 獏: 闇狩り師 (リュウコミックス)

夢枕 獏: 闇狩り師 (リュウコミックス)

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June 11, 2009

春日 武彦: 心の闇に魔物は棲むか―異常犯罪の解剖学

精神科医の著者が話題となった事件をネタにその論評などに対し精神科医としてのコメントを加えている本。1996年発刊のハードカバーの文庫化。

宮崎勤事件を発端に、精神科医もしくは精神医学用語が事件の謎を解く中で、また犯人が捕まった時点でその動機を探る上でマスコミに登場するようになってきている。

そうした事件の論評やコメントを具体的に取り上げ、精神科医の現場から見た誤解や偏見、言葉の都合の良い(ねじ曲げられた)解釈などを解説している。

精神科医は人の心を読み取る超能力者ではないこと、どんなに独特と思われても患者としてはいくつかの類型に当てはめていくこと、治療は催眠術やカウンセリングだけではなくもっぱら薬を使うことなどの実態をつまびらかにし、そこから遊離した世界の中でイメージで語られる犯罪者は実像から遠ざけるだけではないかと著者は憤る。

また、裁判における精神鑑定医という役割が資格制度でないこと、精神科医としては制約が多く、通常患者と向き合うのとは異なる手法をとらざるを得ない事情も批判的に公にし、そうした事情を知らずに鑑定を批判する向きをも批判している。

著者のほかの本を読んでいる身としては、柔和な印象と語り口に慣れてきたので、この本では意外なほど尖った印象を持つ。
事件については詳しくまとめられており、事件マニアには都合がよいかもしれない。
特に『多重人格探偵サイコ』のTVドラマ版を気に入っている人は元ネタとなっている事件くらいは押さえておいた方がよいだろう。

春日 武彦: 心の闇に魔物は棲むか―異常犯罪の解剖学 (光文社知恵の森文庫)

春日 武彦: 心の闇に魔物は棲むか―異常犯罪の解剖学 (光文社知恵の森文庫)

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June 10, 2009

夢枕 獏: キマイラ 8 群狼変・昇月変

その体の中に異形のものを飼っていることを感じ始める少年の話。2000年、2002年に文庫で刊行され、2002年の単行本化を経て、新書版となって刊行された第八巻。

この巻でも巻頭には多くの主な登場人物の紹介が長々と載っているが、これら主要人物はほとんど登場しない。大鳳吼も久鬼麗一も、キマイラすら出てはこない。

久鬼玄造が九十九三蔵、吐月、宇名月典善、菊地良二に語って聞かせるエピソードが全編に渡って描かれている。
若かりし日の久鬼玄造が梶井知次郎と出会い、馬垣勘九郎という中国武術をたしなむ老人を紹介され、本と包みを託され、馬垣の死に際し、梶井とともに託された能海寛の『西域日記』、橘瑞超の『辺境覚書』という未発表の日記を読み進めるという形式でエピソードは進む。

瑞超のエピソードの中に若き馬垣勘九郎が登場し、盗賊の頭である王洪宝との争いの中で美しい獣と表現されるキマイラを目撃した件が登場する。

後半の一章で現代に戻り、久鬼玄造の元からキマイラの腕を奪われる。

その後は、ストーリーを能海寛の『西域日記』の中に移し、羊の皮と切り落とした獣の腕を巡って、いくつかの勢力が狙いをつけていることが描かれる。
そして、能海寛と馬垣勘九郎の一行の前に曹元深と名乗る日本人が現れて身の上話を始めたところで以下次巻。

人の語っている話の中で読まれている日記の中に登場してくる人物の昔話という、入り組んだ構成が前巻から続き、本筋はちっとも進まず。本筋を忘れないようにせねば。

夢枕 獏: キマイラ 8 群狼変・昇月変 (ソノラマノベルス)

夢枕 獏: キマイラ 8 群狼変・昇月変 (ソノラマノベルス)

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June 09, 2009

原作/菊地秀行・作画/鷹木骰子: バンパイアハンターD 3

菊地秀行の超未来を描いたファンタジーノベルのコミック化。

人気の高い「妖殺行」を完全コミカライズとなっているが、出来は今ひとつ。

確かに原作は貴族と人間との恋というテーマを描き、これまでの単なる貴族退治や謎解きからひとつテーマ性は上がったものの、それだけ敵味方の関係性が分かりにくくなっている。
その分かりにくさをコミックとしては分かりやすくしていることを期待したいところだが、描き切れていない。

ページ数が足りなかったのか、端折った部分も見られるが、丁寧な描写を期待していただけに残念。

菊地 秀行: バンパイアハンターD 3 (MFコミックス)

菊地 秀行: バンパイアハンターD 3 (MFコミックス)

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