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July 17, 2009

村上 春樹: 1Q84 BOOK 2

1984年の東京を舞台に、30歳前後の男女二人が遭遇した事件の話。

最後まで読んでもまだ続きがあると感じる読者もいるらしいが、村上春樹作品を読み慣れていると、こんなものかな、と思う。

村上 春樹: 1Q84 BOOK 2

村上 春樹: 1Q84 BOOK 2

ふかえりはどこへ行ったのか、小松は、ガールフレンドはどこへ行ったのか、天吾は東京に戻って何をするのだろうか、青豆は死んだのか、現実の物語として読むならば、これら当たり前の疑問に答えていない作品に続きがあると考えるのは自然なことだろう。
ただ、村上春樹の作品ですべてがきっちり説明されている例は少ないし、何かを暗示させる終わり方はある意味典型的とも言える。
その意味では、分かりやすさが意外な印象の作品だったが、ラストは村上春樹らしさが溢れたものになったと言えるかもしれない。

高井戸という地名の出し方、青豆の方に出したあとで、天吾の章の多くの場面で描かれていた場所が実は高井戸だったというところなどは、やはりあざといまでのうまさを感じる。
そうやって急速に接近していく二人の距離を限界まで近づけていくところは緊迫感あるし、想像通りにすれ違うところもまた見事。

青豆のラストシーンでは、冒頭の首都高速の場面に戻ってきて、それ自体は大して意味があるものとは思えず、行き先はどこにでもできたようにも思うけれど、首都高速で車を止めて降りる馬鹿な読者を生み出さないためには、良い判断だとは思う。

村上春樹の作品としては読みやすいし、面白い部類に入るとは思う。
それでも、これほど多くの部数が売れることについての違和感は『ノルウェイの森』の時と同様。

あとはいかにも映像化しやすそうで、狙っている面々は多そう。
とはいえ、現実的には難しそうなシーンもあるし、具体的に書かれた主人公たちの容貌をカバーできる役者がいるかどうか。

青豆の天海祐希はそのままだけれど、年齢は10以上若くならねば。
老婦人は野際陽子だけれど、他にいないのか、という気もする。
タマルはジャン・レノな印象だったが、日本人なら椎名桔平とか。
天吾は難しく、坂口憲二くらいの体は欲しいが、もうちょっと眼鏡が似合いそうな雰囲気が欲しい。
小松は相島一之。
ふかえりは割とどうでもよく、そのときに若い女優がやればよし。
年上のガールフレンドは永作博美とか寺島しのぶとか。
教祖も難しく、『王様と私』の頃の松平健が二回りくらい大きくなければならないだろう。
教祖の部下のポニーテールは松田龍平、坊主頭は中村獅童とか。

こんなお遊びは面白いけれど、現実味は薄そう。

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