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September 29, 2009

夢枕獏: 闇狩り師 崑崙の王

身長2メートル、体重145キロの巨体を生かし、仙道を操り悪霊退治をする男、九十九乱蔵の活躍を描いた作品の合本しての復刻版。

この巻もひとつのストーリーを扱った2冊をまとめた長編。長編とは言っても、この著者の最近の作品を知っている人間からすれば短い方。
何にせよ、一冊できちんと完結した話を読めるのは気持ちよい。

地方都市の名家である久我沼家の主人が犬神憑きになったという件の依頼を受けた九十九だが、久我沼家が厄介ごとの解決に頼っている贄師・紅丸が登場したことで、九十九は依頼を解かれる。
しかし、久我沼家と、犬神の呪いをかけた黒伏という存在のダム建設を背景にした因縁に興味を抱き、その戦いに巻き込まれていく。

織田信長の元に献上されたという黒人のエピソードなども織り交ぜ、伝奇ものとしての魅力は十分。
ストーリー展開も分かりやすく、ラストも小気味よい。

なお、黒伏の側につく武道家としてキマイラシリーズの登場人物である龍王院弘が登場。
主人公の九十九乱蔵もキマイラの九十九三蔵の兄となっているし、作品の端々に同じ物語世界の中でもう一つのストーリーが展開しているような記述はあったが、ここまでクロスオーバーするとは驚き。
もっとも、龍王院弘についての描写もきちんとされているので、ある程度その雰囲気は伝えていると思うが、まったくキマイラを読んでいない人にはどこまで伝わっているのか疑問が残る。

この本のページを繰るまでまったく事前情報を得ていなかったので、つくづくキマイラを先に読んでおいてよかったと思った。
まだ読んでいない人はキマイラを先に読んでおくことを強く勧める。

夢枕獏: 闇狩り師 崑崙の王《新装版》 (トクマ・ノベルズ)

夢枕獏: 闇狩り師 崑崙の王《新装版》 (トクマ・ノベルズ)

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