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September 29, 2010

菊地 秀行: 妖獣都市 黒天使―闇ガードシリーズ

作者のモチーフのひとつである「向こう側」と「こちら側」の戦いを描く闇ガードシリーズの新作。

契約により自らが闇ガードであることを知らないという設定はそのままに、主人公を女子高生にして、現実とその裏に隠された戦いとのギャップがよく出来ている。

ラストのご都合主義もさほど違和感はなし。

菊地 秀行: 妖獣都市 黒天使―闇ガードシリーズ (トクマ・ノベルズ)

菊地 秀行: 妖獣都市 黒天使―闇ガードシリーズ (トクマ・ノベルズ)

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September 28, 2010

夢枕 獏: キマイラ9 玄象変

その体の中に異形のものを飼っていることを感じ始める少年の話。久々の新作となる新書版第九巻。

この巻でも前巻から引き続き、久鬼玄造が九十九三蔵、吐月、宇名月典善、菊地良二に語って聞かせる形で描かれる。
若かりし日の久鬼玄造が梶井知次郎と出会い、馬垣勘九郎という中国武術をたしなむ老人を紹介され、本と包みを託され、馬垣の死に際し、梶井とともに託された能海寛の『西域日記』、橘瑞超の『辺境覚書』という未発表の日記を読み進めるという形式でエピソードは進む。

『辺境覚書』は馬垣勘九郎と橘瑞兆の目前で能海寛が息を引き取り、手記の処分を任されるところで終わる。
能海寛の手記はなんとかチベットに入りたいと旅している中で狂仏と出会い、連れていた真蓮と呼ばれる少年が人でないものになるのを目撃したこと、自らも狂仏となったことが書かれていた。

話は現代に戻り、久鬼玄造が馬垣勘九郎が亡くなったあとに、その息子・馬垣勘十郎と出会い、グルジェフと呼ばれる男と戦い、梶井を失い、自らの妹である智恵子と中国へ渡り、雪蓮の一族と出会い、智恵子と巫炎との間に麗一と吼が生まれたことが語られる。

久鬼玄造の話は終り、一行は牛が食われたという牧場の話を聞きつけ、待ち伏せをする。
龍王院弘も山中をさまよっているうちに狂仏と出会い、キマイラと化した麗一を目撃する。

ようやく昔話が終り、舞台が現代に戻ってきたのは良いが、新刊としてはボリュームが少なすぎという感は否めない。

能海寛の日記もチベットに入ってからのエピソードがないし、久鬼玄造の自らが中国に渡った話も1ページ足らずで済ませてしまっている。
これまでだったら、この部分だけで2巻くらいは使ったのではないか。

いずれにせよ、終盤に近づいてきていることだけは伝わってくる。

夢枕 獏: キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

夢枕 獏: キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

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September 27, 2010

菊地 秀行: 魔界都市

作者の永遠のモチーフ「魔界都市〈新宿〉」の刑事、屍刑四郎を主人公とした作品。

舞台は麝鏡家が支配することから魔界都市〈J〉と呼ばれる長野県麝鏡市。

屍刑四郎は〈新宿〉から盗み出された世界を破滅させる甲冑を取り戻しに錬金術師と共に麝鏡市に向かう。

相手が魔界都市の住人でないので、勝負は分かりきっているだけに、戦いの構図は分かりやすく、ヘンにこねくり回していない分、フツーに読める。

菊地 秀行: 魔界都市<J> (ジョイ・ノベルス)

菊地 秀行: 魔界都市 (ジョイ・ノベルス)

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September 26, 2010

刻夜 セイゴ: 低俗霊MONOPHOBIA (3)

ひとつの肉体に生まれた双子の兄妹が悪霊を退治していく話。奥瀬サキ原作。

前半は前巻からのひき続きで神社と犬の関係を絡めた戦い、後半は珍妙な口寄せ屋の手伝いから新しいトラブルに巻き込まれていくエピソード。

後半に登場するキャラクターたちが「低俗霊DAYDREAM」にも出ていたことを帯を見るまで気付かなかった。

話は割と分かりやすい構図になってきて読みやすい。

刻夜 セイゴ: 低俗霊MONOPHOBIA (3) (角川コミックス・エース 273-3)

刻夜 セイゴ: 低俗霊MONOPHOBIA (3) (角川コミックス・エース 273-3)

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September 25, 2010

西 炯子: 「うすあじ」

1990年代に描かれた作品を再編集したもの。

コミックスに収録されていたものは割と記憶に残っているが、意外に印象に残っていないものもあった。

中編と呼ぶべき長さの作品が多いが、「So much to say」がお気に入り。

西 炯子: 「うすあじ」 (WINGS COMICS)

西 炯子: 「うすあじ」 (WINGS COMICS)

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September 24, 2010

西 炯子: 「こいあじ」

1990年代に描かれた作品を再編集したもの。

それぞれコミックス化された短編であり、ほとんど記憶に残っている。

割と生と死を感じさせる作品がまとめられているように思えるが、とことんギャグマンガも含まれている。

「君といつまでも」がお気に入り。

西 炯子: 「こいあじ」 (WINGS COMICS)

西 炯子: 「こいあじ」 (WINGS COMICS)

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September 23, 2010

重野 なおき: 信長の忍び 3

戦国時代、信長とそれに仕える女忍者を中心にした4コマギャグマンガ。

一応、史実に沿って時系列になっており、この巻では上洛から二条御所建築、伊勢攻めまでが描かれる。

敵味方含めて、武将のキャラクター設定が暴走しない程度に面白く描かれているバランスの良さは見事。

これで戦国武将を覚えている今日この頃。

重野 なおき: 信長の忍び 3 (ジェッツコミックス)

重野 なおき: 信長の忍び 3 (ジェッツコミックス)

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September 22, 2010

二宮 ひかる: アイであそぶ。―二宮ひかる作品集

男女のビミョーな恋愛模様を描いた短編集。

性から逃げずに真正面から描いているのはいつもの通りだが、年齢層はわりとまちまち。

あまり登場人物たちに感情移入できないのもいつもの通り。

二宮 ひかる: アイであそぶ。―二宮ひかる作品集

二宮 ひかる: アイであそぶ。―二宮ひかる作品集

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September 18, 2010

よしなが ふみ: 大奥 第6巻

男女が逆転した江戸時代の有様を江戸城の大奥を通して描いた作品。

前半は綱吉と右衛門佐の想いを存分に描いた悲恋もの、後半は徳川家宣とその側室となる左京、家宣の御小性である間部とのエピソードで構成されている。

前半の悲恋があまりに見事で涙を誘う。

後半は次の悲恋への序章といった格好。

よしなが ふみ: 大奥 第6巻 (ジェッツコミックス)

よしなが ふみ: 大奥 第6巻 (ジェッツコミックス)

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September 17, 2010

山本 弘: MM9

怪獣が自然災害として存在する世界で、災害としての怪獣対策を担う気象庁の対策班を描いた作品。

5つの短編からなる作品だが、世界観は通して描かれている。
怪獣のような非現実的な存在を描く場合、一般的な作品はその整合性を取ることに苦労するが、この存在するのが当たり前という前提で描かれる世界は面白い。

もっとも、映画の平成ガメラを知っていれば、その世界観の小説化と言ってしまうこともできる。
いくぶん世界観の説明に偏っている感は否めないが、それもなんとか作品として収まっている。

それぞれ独立した話ではあるが、一応新興宗教団体の陰謀という大きなストーリーを二つの作品で描いており、本全体としての盛り上がりもあって良し。

山本 弘: MM9 (創元SF文庫 )

山本 弘: MM9 (創元SF文庫 )

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September 16, 2010

神崎 将臣: XENON-199X・R 7

体をサイボーグにされた少年が巨大軍事組織に立ち向かっていく話。

前巻のラストで水爆の爆発を止めてしまったので、主人公の能力も行き着くところまで行っている感じで、敵の作り方や戦い方に苦慮している印象。

この巻のラストも人為的な災害を食い止めるが、スケールが大きいというよりは荒唐無稽に近くなっている。

神崎 将臣: XENON-199X・R 7 (リュウコミックス)

神崎 将臣: XENON-199X・R 7 (リュウコミックス)

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September 15, 2010

神楽坂 淳: 大正野球娘。 4

大正時代の東京を舞台に、男子に野球で戦いを挑む女子学校の生徒たちを描いた作品。神楽坂淳のライトノベルを伊藤伸平によるコミカライズ。

この巻では志葉中学との練習試合を中心に、野球の話題をメインにして恋愛模様をバランスよく配置して面白く仕上げている。

いよいよ運命の、というか目標としていた試合が迫ってきて次巻。

神楽坂 淳: 大正野球娘。 4 (リュウコミックス)

神楽坂 淳: 大正野球娘。 4 (リュウコミックス)

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September 10, 2010

NODA・MAP 番外公演「表に出ろいっ!」

親娘3人が留守番を巡って各々の事情や都合を主張し合いながら外出を牽制しあう話。

能楽師の夫(中村勘三郎)が夕飯を終えて外出しようとしたところ、妻(野田秀樹)も外出するという。
飼い犬が臨月なので留守番は必要として、先に留守番を頼んだのはどちらかと言い合いを始める。
そこへ娘(黒木華)が帰ってくるが、すぐに出かけると言って留守番を3人で押し付けあう。

舞台は玄関のある家の居間のみで、仕掛けや転換もなく、シットコムといった形式。
時には体も張った言葉のぶつけ合いは、家族喧嘩ゆえに違和感はなく、ただただ笑いを誘う。

異様に派手で目を惹く舞台の色彩が、中盤の盛り上がりの中でライティングによって様相を変えていくのは意表を突かれた。

無理に読み解けば、「好きなモノ」「夢中になれること」と「盲信」「信仰」の境目は何か、人が最後に求めるものは何か、といったテーマもあるだろうが、1時間半足らずの長さもあり、基本的には難しく考えずに笑い飛ばすのが良いだろう。

~2010.9.7 東京芸術劇場小ホールにて~

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September 02, 2010

清水 玲子: 秘密(トップ・シークレット) 8

殺人事件の被害者の脳をスキャンすることにより被害者の生前の目撃情報から捜査を行う近未来の警察組織の活躍を描いた作品。

この巻では、前作の後日談のようなインターミッションで組織の未来が語られる短編と、本編が収められている。

本編は奇跡的に死傷者がほとんどいなかった大地震において、3名の死者を出した小学校で何があったのかを探る話。

事件なのか事故なのかも不明の中、新たに検事の立場から組織に加わった新入りの影響もあり、真相はなかなかはかどらず、組織内の情報が外部に漏れる事件も起きる。

前作が政治家も絡めたスケールの大きな事件だったことに比べると、スケールの小ささは否めないが、ドラマ性は高く、やはり「相棒」のようなバランスの良さを感じさせる。

清水 玲子: 秘密(トップ・シークレット) 8 (ジェッツコミックス)

清水 玲子: 秘密(トップ・シークレット) 8 (ジェッツコミックス)

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September 01, 2010

内藤 泰弘: トライガンマキシマム N-5/6

地球から遠く離れた惑星を舞台に繰り広げられるガンアクション活劇の新装版。今回発行されたのはヤングキングアワーズに移ってからの5巻と6巻。

5巻は丸々ウルフウッドの話。出身の孤児院を舞台に、戦いの師と、孤児院の後輩を相手に戦う姿を、孤児院時代のエピソードを織り交ぜて描いている。
主人公のヴァッシュが霞むほどウルフウッドがフィーチャーされていて、巻末は思わず涙を誘う。

6巻はいよいよヴァッシュとナイブズとの決戦。そこへ地球の艦隊がやってきてナイブズを危険な存在として攻撃を加える。さらにレガートも復活し、戦いの行方は混沌としたものになっていく。

最終決戦と言いつつ、次から次へと戦端が開いていくさまは、終わりなき戦いを予感させる。
次が最終巻と分かっていなければちょっとつらいかも。

内藤 泰弘: トライガンマキシマム N-5 (ヤングキングコミックスNEO)

内藤 泰弘: トライガンマキシマム N-5 (ヤングキングコミックスNEO)

内藤 泰弘: トライガンマキシマム N-6 (ヤングキングコミックスNEO)

内藤 泰弘: トライガンマキシマム N-6 (ヤングキングコミックスNEO)

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