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September 28, 2010

夢枕 獏: キマイラ9 玄象変

その体の中に異形のものを飼っていることを感じ始める少年の話。久々の新作となる新書版第九巻。

この巻でも前巻から引き続き、久鬼玄造が九十九三蔵、吐月、宇名月典善、菊地良二に語って聞かせる形で描かれる。
若かりし日の久鬼玄造が梶井知次郎と出会い、馬垣勘九郎という中国武術をたしなむ老人を紹介され、本と包みを託され、馬垣の死に際し、梶井とともに託された能海寛の『西域日記』、橘瑞超の『辺境覚書』という未発表の日記を読み進めるという形式でエピソードは進む。

『辺境覚書』は馬垣勘九郎と橘瑞兆の目前で能海寛が息を引き取り、手記の処分を任されるところで終わる。
能海寛の手記はなんとかチベットに入りたいと旅している中で狂仏と出会い、連れていた真蓮と呼ばれる少年が人でないものになるのを目撃したこと、自らも狂仏となったことが書かれていた。

話は現代に戻り、久鬼玄造が馬垣勘九郎が亡くなったあとに、その息子・馬垣勘十郎と出会い、グルジェフと呼ばれる男と戦い、梶井を失い、自らの妹である智恵子と中国へ渡り、雪蓮の一族と出会い、智恵子と巫炎との間に麗一と吼が生まれたことが語られる。

久鬼玄造の話は終り、一行は牛が食われたという牧場の話を聞きつけ、待ち伏せをする。
龍王院弘も山中をさまよっているうちに狂仏と出会い、キマイラと化した麗一を目撃する。

ようやく昔話が終り、舞台が現代に戻ってきたのは良いが、新刊としてはボリュームが少なすぎという感は否めない。

能海寛の日記もチベットに入ってからのエピソードがないし、久鬼玄造の自らが中国に渡った話も1ページ足らずで済ませてしまっている。
これまでだったら、この部分だけで2巻くらいは使ったのではないか。

いずれにせよ、終盤に近づいてきていることだけは伝わってくる。

夢枕 獏: キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

夢枕 獏: キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

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