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August 31, 2012

小川 一水: 天冥の標6 宿怨 PART 2

全10巻と予告されているSF大作シリーズの第7弾。

この巻では西暦2500年前後の救世軍が太陽系全域に対して宣戦布告し、《酸素いらず》の一派とともに地球に攻撃を加える戦いが描かれる。

また、前巻のラストで現れた救世軍の硬殻化が前前巻で描かれた宇宙の彼方からの対立する存在によるものかと思いきや、また別の星系からの異なる目的でやってきた知性体によるものだと、この巻の冒頭で明かされる。

その知性体から進んだテクノロジーを手に入れた救世軍は虐げられてきた恨みを全人類に対してぶつける。
その地球攻撃の描写は、申し訳ないけどカタルシスを禁じ得ない。

ラストで救世軍が知性体とのコミュニケーションを根本から誤っていたことが明かされて戦いは次巻へと続く。
その救いようのなさもまたよし。

そろそろ1巻の遠い未来設定の伏線回収が始まりそうな雰囲気。

小川 一水: 天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)

小川 一水: 天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)

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August 30, 2012

夢枕獏: 呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集

サブタイトルにある通り、山に関わる短篇集。

ほとんどどこかで読んだことあるものばかりだったが、まとめ読むと山を様々な角度から捉えていることが分かって面白い。
民俗学的な怪談だったり、スケールの大きいSFだったり、意外に振れ幅が大きい。

「山を生んだ男」がお気に入り。

夢枕獏: 呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集

夢枕獏: 呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集

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August 29, 2012

西 炯子: 姉の結婚 3

故郷に戻り図書館司書をしているアラフォーの女性が元同級生に言い寄られる話。

前巻から元同級生の医師と愛人関係を結んでいる主人公は、恩師の紹介で出会った新聞記者とも距離を縮めていく。

どちらにも積極的にはなれない主人公だが、愛人とは運命的なものも感じ始める。
そんな折、久しぶりに出てきた東京で出張していた新聞記者と出会う。

ふとした瞬間に縮まっていく距離がよく描けている。

西 炯子: 姉の結婚 3 (フラワーコミックス α)

西 炯子: 姉の結婚 3 (フラワーコミックス α)

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August 28, 2012

戸田 邦和: 龍時 13

U-16サッカー日本代表の補欠として出場した試合に認められスペインに渡った少年の話。野沢尚原作のコミカライズ。

この巻では主人公の龍時が恋人との交際を素行不良とされベンチ外となり、もどかしい日々を送るエピソードが描かれる。
後半では恋人と離れ、ベンチ入りを許されるは、ピッチに出てくることはなく次巻。

スペインの踊りなども描かれるが、相変わらず動きが感じられない絵柄が残念。

戸田 邦和: 龍時 13 (ジャンプコミックスデラックス)

戸田 邦和: 龍時 13 (ジャンプコミックスデラックス)

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August 27, 2012

戸田 誠二: 戸田誠二作品集 グリム奇譚

グリムを始めとする世界の寓話を描いた作品集。

寓話とはいえ、良い話ばかりではなく人間の持つ欲や嫉妬など醜い面を存分に描いてなお救いのない話もある。

それでも何とか読めるのはあまり絵柄のせいか。

戸田 誠二: 戸田誠二作品集 グリム奇譚 (ぶんか社コミックス)

戸田 誠二: 戸田誠二作品集 グリム奇譚 (ぶんか社コミックス)

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August 26, 2012

ゆうき まさみ: 鉄腕バーディー EVOLUTION 11

宇宙のテロリストを追ってきた捜査官バーディーが地球の少年と一心同体になって敵を追っていく話。

宇宙からの存在が明らかになり、大混乱となる中、極秘裏に得た技術で偵察機を撃墜するなど、地球側は臨戦態勢を取り始める。

そうした中、バーディーはクリステラ・レビと邂逅し、レビが追われる元となった「禁書」に触れる。

謎が増えていく中、巨大な宇宙船が地球にやってきて、以下次巻。

ゆうき まさみ: 鉄腕バーディー EVOLUTION 11 (ビッグ コミックス)

ゆうき まさみ: 鉄腕バーディー EVOLUTION 11 (ビッグ コミックス)

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August 25, 2012

樹生 ナト: とでんか (5)

大塚英志原作、樹生ナト画による、都市伝説を扱う東京都の都市伝説課、略称”とでんか”を舞台にしたコミックの第5弾。

この巻で扱われるのはデマ、三本足のニワトリ、アーミッシュなど。
大震災に絡めて、水不足や放射能騒動を描いている。

おまけの80年代ものは、その時代の様々なネタが散りばめられていて本編以上に面白い。

樹生 ナト: とでんか (5) (単行本コミックス・怪)

樹生 ナト: とでんか (5) (単行本コミックス・怪)

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August 24, 2012

柴田 ヨクサル: ハチワンダイバー 24

プロ棋士への夢を絶たれ、賭け将棋で生きる"真剣師"として生きていこうとする青年の話。

引き続き鬼将会と呼ばれる地下組織の中でのトーナメントの模様が描かれる。
暗殺者・凛に恋する男、右角ヒサシvs.鬼将会創成期メンバー、橋架男の対戦は決着を見、無免許医、シャンチーJr.vs.3人のプロ棋士をバックにするかなしいいろやねんも勝負をつける。

ビル爆破作戦の方は大して進展なし。
主人公はさらに登場シーン少なく。

柴田 ヨクサル: ハチワンダイバー 24 (ヤングジャンプコミックス)

柴田 ヨクサル: ハチワンダイバー 24 (ヤングジャンプコミックス)

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August 23, 2012

鈴木 みそ: 僕と日本が震えた日

東北大震災の被災現場を著者自らが見て回る体験リポートもの。

在京の作者は当日自分の身に起こったことから、近い浦安市などを伝えている。

面白いのは出版業界の混乱について、震災に絡めて業界自体の問題点や課題も浮き彫りにしている。

避けて通れない放射線に関する部分には多くのページが割かれ、基本的な事柄から測定がいかに大変なのか、何が影響あって何が影響ないのか、丁寧に説明されている。

読みやすい絵柄だし、 知識を整理する意味では良い本。

鈴木 みそ: 僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)

鈴木 みそ: 僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)

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August 22, 2012

奥瀬 サキ: ドロねこ9 (3)

不思議な能力を持つ「蠱り者」と呼ばれるモノたちを描いた作品。

相変わらず何と何が戦っていて、誰と誰が仲間なのか分からないまま。

この巻ではショートストーリーばかりだが、何かが収まりつくわけでもなく完結。

あとがきっぽいページで伏線回収失敗を吐露しているのでそういうことなのだろう。

奥瀬 サキ: ドロねこ9 (3) (バーズコミックス)

奥瀬 サキ: ドロねこ9 (3) (バーズコミックス)

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August 19, 2012

夢路 行: スウィートホーム

弟の子供たちと同居することになった独身女性の話。

母が亡くなり、父との二人暮らしに慣れてきた主人公の家に、弟が二人の子どもを連れてくるところから始まる。
妻に離婚を切り出され家を出られた弟は、子供たちの世話を主人公に任せきりにする。

子供たちの世話も通して弟夫婦の行く末が描かれる合間に主人公の恋愛話も挟まれる。

設定としては重くドロドロしたものになりそうだが、著者の持ち味であるシンプルで温かみのある絵柄が程よいコメディとハートウォーミングな話にしている。

夢路 行: スウィートホーム (秋田レディースコミックスセレクション)

夢路 行: スウィートホーム (秋田レディースコミックスセレクション)

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August 18, 2012

星野 之宣: 星を継ぐもの 3

J.P.ホーガンのSFミステリーを星野之宣がコミカライズした作品。

月で見つかった5万年前の遺体、木星の衛星・ガニメデで発見された宇宙船を発端に、人類は100万年前に太陽系に文明を築いていたガニメアンと邂逅する。

ガニメアンと相互理解を深める中で、100万年前の太陽系に何が起きたのか、人類はどうやって生まれたのか、といった謎が解き明かされていく。

また、地球の支配層に異星人の末裔がいることが判明、ガニメアンと探検隊は彼らの攻撃を受ける。
地球で歓待を受けたガニメアンは地球人とともに彼らと敵対することを決意する。

謎の探求ばかりでなく、敵対関係が出てきたことでアクションっぽいノリも出てきた。
それはそれで面白いけれど。

星野 之宣: 星を継ぐもの 3 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

星野 之宣: 星を継ぐもの 3 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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August 17, 2012

夢路 行: あの山越えて 20

実家近くで農業をしたいという夫に付き合い田舎暮らしを始めた女性教師の話の第20弾。

この巻では珍しく主人公の恋愛話も描かれている。
その辺は微妙な年齢を感じさせない絵柄が良いのか悪いのか。

夢路 行: あの山越えて 20 (秋田レディースコミックスセレクション)

夢路 行: あの山越えて 20 (秋田レディースコミックスセレクション)

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August 16, 2012

佐藤 秀峰: 特攻の島 4

人間魚雷・回天と、それに乗る特攻隊員たちを描いた作品。

関口の犠牲により窮地を脱した潜水艦は応急修理を済ませて再び出撃する。
敵基地を前に次々と発進する回天だったが、渡辺だけ故障で発進できない。

有毒ガスに倒れた渡辺を助けるために艦長は敵艦が捜索に集まってくる中、浮上を決意する。

なかなか主人公は死なないのだろうと分かってはいながらも迫ってくる緊迫感はさすが。

佐藤 秀峰: 特攻の島 4 (芳文社コミックス)

佐藤 秀峰: 特攻の島 4 (芳文社コミックス)

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August 15, 2012

戸田 誠二: 東京メイト

1ページから3ページで世間の日常を描いたショートショート集。

日常切り取り系の作品が60話。
それぞれに関連はしていないが、いくつか「その後」話が収められているのが面白い。

戸田 誠二: 東京メイト (バンブーコミックス)

戸田 誠二: 東京メイト (バンブーコミックス)

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August 14, 2012

なるしま ゆり: ライトノベル(3)

若手ライトノベル作家が自分の作品とリンクした殺人事件に巻き込まれていく話。

拉致され全裸で山奥に放置された主人公は謎解きをしながら脱出を図り、警察も事件の容疑者を特定、逮捕に至るが、首謀者は少女であることが判明、行方を追う。

脱出した主人公はどこにも逃げ込まず少女の誘いに応じて謎の集会に参加する。

幻か現実か分からないエピソードより分かりやすくてスピード感も出てきた印象。

なるしま ゆり: ライトノベル(3) (KCx(ARIA))

なるしま ゆり: ライトノベル(3) (KCx(ARIA))

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August 13, 2012

西 炯子: 恋と軍艦(2)

港のある町で暮らす女子中学生の話。

若い町長に憧れを抱く主人公と耳年増の級友、知り合いになったハーフのマンガ家を中心にドタバタが繰り広げられる。

後半は町長が町の将来について対立しているエピソードも描かれる。

主人公のお花畑さ加減にイライラしてくるところもあるが、他のキャラクターとのバランスで読み進めていける感じ。

西 炯子: 恋と軍艦(2) (講談社コミックスなかよし)

西 炯子: 恋と軍艦(2) (講談社コミックスなかよし)

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August 12, 2012

谷岡 曜子: 死舞能 (1) 弱法師/泥眼

能楽師と能面師のプロファイラーを描いた話。大塚英志原作。

現実を舞台に能を原作とした連続殺人事件が起きる”死舞能”の正体に迫っていく警部と能楽師、能面師。

謎を隠したまま話が進むので3人の関係が分かりにくい。

事件そのものは多重人格探偵サイコの読者ならそのまま受け入れられるもの。
ちなみに警部が笹山になっている。

谷岡 曜子: 死舞能 (1)  弱法師/泥眼 (カドカワコミックスAエース)

谷岡 曜子: 死舞能 (1)  弱法師/泥眼 (カドカワコミックスAエース)

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August 11, 2012

戸田 誠二: 音楽と漫画と人

見開き2ページのショートショート短篇集。

音楽に関わる人々、漫画家生活など、音楽雑誌に連載されていた作品と聞けば、なるほどと思わせるような人々の姿を愛情深く描いている。

とはいえ、ちょっといい話もまとめて読むとなぜかなんとなく違和感。

戸田 誠二: 音楽と漫画と人 (Next comics)

戸田 誠二: 音楽と漫画と人 (Next comics)

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August 10, 2012

西川魯介: 作家 蛙石鏡子の創作ノート

女流小説家とそのメガネ男子の弟子の織りなす妄想話。

妄想と現実の純情話のバランスが良い感じ。
そのまま現実化するわけじゃないところがエロか否かの境目か。

西川魯介: 作家 蛙石鏡子の創作ノート (ジェッツコミックス)

西川魯介: 作家 蛙石鏡子の創作ノート (ジェッツコミックス)

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August 09, 2012

奥瀬 サキ: 4LOST CAUSE不発作品集

アクションバイオレンスやナンセンスなテイストの短篇集。

割と初期の絵柄も混じっているので好みは分かれるかもしれない。

個人的には初期の絵柄のほうが見やすいと思う。

奥瀬 サキ: 4LOST CAUSE不発作品集 (CR COMICS)

奥瀬 サキ: 4LOST CAUSE不発作品集 (CR COMICS)

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August 08, 2012

志水 アキ: 狂骨の夢 (3)

京極夏彦原作、志水アキ作画による髑髏をめぐる話。

前巻までは摩訶不思議なエピソードばかりだったが、この巻でようやく事件となり警察などが登場してくる。

しかし、まだ謎解きには程遠く、事件の謎が次々と判明していくところ。

志水 アキ: 狂骨の夢 (3) (怪COMIC)

志水 アキ: 狂骨の夢 (3) (怪COMIC)

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August 07, 2012

夢枕獏: 大帝の剣4 <幻魔落涙編>

江戸の世を舞台に大剣を巡るアクション冒険譚。

この巻ではこれまでおぼろげに描かれてきた宇宙からの存在が明確に描かれ、その目的や敵対関係も明らかにされる。

それを肉体に宿す存在として佐々木小次郎や天草四郎が登場していたが、ついにはゴータマシッダールタやガブリエルも登場。

オリハルコンを生きる金属としてうまく使い、三種の神器をオリハルコンでできているものとしてうまく絡ませている。

夢枕獏: 大帝の剣4 <幻魔落涙編>

夢枕獏: 大帝の剣4 <幻魔落涙編>

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August 06, 2012

小川一水: 天冥の標6 宿怨 PART1

全10巻と予告されているSF大作シリーズの第6弾。

この巻では西暦2499年の小惑星帯を舞台に太陽系外への航行計画と共に、先鋭化する救世軍の動きが描かれる。

前巻でストーリーの後ろにある大きな存在とその対立が示されていたが、この巻では冒頭からその要素は無視されているかのように思わせておきながら、ラストで突如現れるシーンは意表を突かれる。

巻末には年表と人物・用語集が付録。確かに分かりやすいが、頭の中でなんとなくつなぎあわせていたものが読み進めていくにつれてきれいにはまっていく感覚を楽しみにする分には蛇足かもしれない。

小川一水: 天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)

小川一水: 天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)

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August 05, 2012

菊地秀行: 吸血鬼ハンター/アナザー 貴族グレイランサー 英傑の血

作者の長いシリーズである『吸血鬼ハンター』シリーズからのスピンアウト作品第2弾。

本編の敵である「貴族」=吸血鬼が主人公となり、貴族間の争いやOSBと呼ばれる外宇宙からの敵に立ち向かう。

元々超人的な能力と永遠に近い寿命を持つ「貴族」を主人公にしているため、大抵のピンチを回避することができ、無理が効く分、ストーリーが活き活きとしている印象は第1弾と変わらない。

菊地秀行: 吸血鬼ハンター/アナザー 貴族グレイランサー 英傑の血 (朝日ノベルズ)

菊地秀行: 吸血鬼ハンター/アナザー 貴族グレイランサー 英傑の血 (朝日ノベルズ)

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