May 25, 2008

相棒

警視庁のお荷物コンビが大活躍する話。和泉聖治監督作品。

人気ドラマシリーズからの映画化。映画で初めて観る人にも分かりやすいように、二人の置かれた立場は冒頭できちんと説明しており、出てくるキャラクターも厳選し、分かりにくい印象は少ない。

まったく別の事件と思われていたものがひとつの糸で結びついていき、そこに隠された大きな計画を阻止せんと奔走する警察の面々。
推理サスペンスの王道といえる展開は飽きさせることなく、アクションもドンパチをまったく出さずに緊迫感を与えるもので好感が持てる。

難を言えば、事件が解決してからが長いか。
ラストももう少し工夫というかひとひねりがあっても良かったかと。

~5月24日・丸の内TOEIにて~

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May 24, 2008

春よこい

逃亡犯である男を想う妻と子の話。三枝健起監督作品。試写会にて鑑賞。

借金取りに商売道具の釣り船を奪われそうになり、もみ合う中で相手を殺めてしまった男(時任三郎)がそのまま逃亡してから4年が経ち、妻(工藤夕貴)は周りの目を気にしながらも市場で働き、古い船で釣り船を営んでいる。

学校でいじめられている息子(小清水一揮)の担任(吹石一恵)から話を聞いた地元新聞社の記者である兄(西島秀俊)は、男を追い続ける刑事(宇崎竜童)や二人に接近し、ひとつの記事をしたためる。
その記事は、人々の記憶を呼び起こし、親子に思わぬ波紋を拡げていく。

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April 30, 2007

幸福な食卓

不安定な家庭に暮らす少女の中学3年生から高校1年生までのおよそ2年間を描いた青春もの。小松隆志監督作品。

主人公・佐和子(北乃きい)の家庭は、3年前の出来事がきっかけで兄(平岡祐太)は高校を首席卒業にも関わらず農業に従事し、母親(石田ゆり子)は家を出てパートをしながら一人暮らしをし、父親(羽場裕一)は仕事を辞め父親であることも辞めると宣言している。
それでいながら、殺伐とはしておらず微妙な距離感を保ちながら家族は明るく暮らしている。

佐和子が中学3年生になった新学期、クラスに大浦(勝地涼)が転校してくる。クラス委員として面倒を見る佐和子だったが、次第に大浦に惹かれてゆき、名門校・西高を目指しながらお互いの距離を不器用に近づけていく。

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March 19, 2007

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

九州から出てきて享楽的に生きる息子と、それを支える母親の話。松尾スズキ脚本、松岡錠司監督作品。

九州の炭坑町で育った主人公は、父親(小林薫)と別れて暮らす母親(若い頃:内田也哉子)に育てられるが、寂れていく町の中で外に出て行くことを早くから決意する。
主人公(大学生以降:オダギリジョー)は東京の大学に進むものの、母親からの仕送りを遊びに使い、1年余計にかかって卒業した後も、借金を重ねていく。
そんな中で祖母の死や母親(中年以降:樹木希林)の病気などを知り、主人公はがむしゃらに働くことを覚え、借金を返し、恋人(松たか子)もでき、いよいよ母親を東京に呼び寄せる。
東京での楽しく穏やかな日々は過ぎ、やがて母親の病は再び体をむしばみ始める。

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February 04, 2007

ゆれる

東京でカメラマンとして活躍する弟(オダギリジョー)と、実家で父親の跡を継ぐべくガソリンスタンドを切り盛りしている兄(香川照之)が母親の法事で久し振りに顔を合わせたことで巻き起こる出来事を描いた作品。西川美和脚本・監督作品。

同監督の長編デビュー作「蛇イチゴ」も葬式をひとつのきっかけにした兄妹のエピソードだった。
冒頭の法事の場での兄弟のやりとりや弟と父親(伊武雅刀)との確執を見たときには同様の家族ものだとばかり思っていた。
それは、兄の元で働いている幼馴染みの女性(真木よう子)が登場し、昔関係があったと思われる弟が再び関係を持つ展開となっても変わらなかった。
それだけに、翌日に3人でピクニックがてらに出かけた渓谷にかかる「ゆれる」吊り橋での出来事からの展開は良い意味でそれまでの予感を裏切ることとなった。

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October 10, 2006

Turn8 ラグナセカの青い空

監督&脚本:マーク・ニール ナレーション:ユアン・マクレガー

2輪レーシング界の最高峰MotoGPのドキュメンタリー。2005年アメリカGPの模様を描く。

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August 24, 2006

THE 有頂天ホテル

大晦日、年明けも間近な都会のホテルで巻き起こるエピソードを描いた作品。三谷幸喜監督。

カウントダウン・パーティー、授賞式、疑惑の政治家の処遇と、年末も押し迫りホテルは多くのイベントで大忙し。
そこへ巻き起こるトラブルの数々。ちょっと滑稽な人々のすれ違いで、ちょっとおかしく、ちょっといいお話が続く。

限られた舞台で多くの登場人物がそれぞれのエピソードを抱え、それぞれに笑いを取っていく。
それだけに主役という役割は基本的に存在せず、狂言回しとしてホテルスタッフの副支配人がいるに過ぎない。
それでも十分に魅力的で主役級のキャストがこれでもかと登場するのは贅沢としか言いようがない。
三谷幸喜のシチュエーションコメディの真骨頂とも言うべき作品。

~8月24日・ギンレイホールにて~

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February 20, 2006

三年身籠もる

妊娠期間が3年に及んでしまったカップルの話。唯野未歩子監督作品。

主人公・冬子(中島知子)は妊娠9ヶ月。医者に言われたとおり、子供には純粋に生まれてきて欲しいとテレビや音楽に接することのない生活を送っている。
夫・徹(西島秀俊)は父親になる自覚のないまま、職場の女性と浮気をしている。冬子は夫の浮気を気付いているが、一時的なものと異に返さない。

妊娠18ヶ月。夫は浮気相手に振られ、いつまでも生まれてこない子供に苛立ち、本当に自分の子供か疑いの言葉を投げる。冬子は正直にこれまで付き合った相手のところに確かめに行く。
信頼を取り戻した二人だが、妹・緑子(奥田恵梨香)の付き合っている年の離れた恋人・海(塩見三省)の勤める大学病院に入院することで、世の中にスキャンダルとして取り上げられてしまう。
自分のために敢えてスキャンダルも受け入れたことを知った徹は、強引に冬子を連れ出す。

妊娠27ヶ月。山奥に隠れるかのように暮らす二人。
冬子の腹はさらに大きくなり、中で暴れる胎児により冬子は激しい痛みを伴うようになる。
その余りの巨大さに自然分娩は母体に危険と諭されるも、冬子はあえて自然分娩を選択する。
そして、陣痛が始まる...

珍しく原作を読んでから観た作品だったが、いくつかの設定も含めて内容は変わっており、新鮮に楽しむことはできた。
ただ、原作のような設定を説明するようなシーンがほとんどないため、初めて観る人にどれだけ伝わっているかは疑問。

原作に比べると、母親になる不安、父親になる不安、生まれてくる子供に対する責任、父親であることの不確かさ、出産における父親の無力感、そうしたものが混然としてよく表れていたように思えた。
そのために、とても現実的でないエキセントリックな設定でありながら、不思議と涙を誘われる。

主演の中島知子は、元よりあまり動かない役柄のため、さほど好演という印象はなかった。
西島秀俊は相変わらず「西島秀俊」な役柄だったが、ここ最近にしては表情豊かなシーンが多く、共演を重ねている監督ならではの引き出し方が表れているように感じられた。
西島秀俊ファン(という人がいるのかどうか知らないが)には堪えられない作品といえるだろう。

女優としての監督のファンであることはこれまでも公言しているし、それによって観た作品ではあるけれど、それを差し引いても、女流新人監督の第一作としては十分楽しめる作品と言えるだろう。

~2月18日・新宿武蔵野館~

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February 11, 2006

空中庭園

隠し事をしないことをルールとしていた家族の仮面が剥がれ、本当の意味での家族を取り戻すまでの話。豊田利晃脚本・監督作品

主人公(小泉今日子)は、幼い頃の母親との確執から、タブーなく隠し事をしないことをルールとした家族を作り上げる。
夫(板尾創路)の浮気も勘づいていながら見て見ぬふりをし、娘(鈴木杏)や息子(広田雅裕)も問題を抱えていることを知りながら、家族のルールを優先する。
そこへ、夫の浮気相手(ソニン)が息子の家庭教師として入り込み、病を抱えた母親(大楠道代)も交えた誕生会でお互いうわべだけだった仮面が剥がされてしまう。

公開前に監督が覚醒剤取締法違反で逮捕されるという事件により話題になってしまったこと以外には予備知識を持たずに観たのだが、理想の家族像に振り回される女性の姿という、割と現代的でオーソドックスな題材を扱っているなという印象。
そうした理想的な家族像が歪んだ関係の中にあるという演出なのだろうが、時折見せるシュールな映像が事件を想起させてしまうのは致し方ないところか。

この作品で小泉今日子がいくつか賞を取っていたようだが、あまり目立った印象はない。
板尾さんのユーモア交えた巧さと、大楠道代の格好良さばかりが目立っていた。
出演作品を観るたびに横に大きくなっていた鈴木杏は何とか膨張が止まったかのような感じ。
広田雅裕はパンフレットによると広田レオナの長男だとか。もう一本くらい違う役柄で観てみたいと思わせる。

パンフレットと言えば、協力にRIO JAPANの文字が。今はなきMP3プレーヤーのメーカーだが、個人的に関わりがあっただけにちょっと感慨深かった。

~2月11日・ギンレイホールにて~

映画「空中庭園」パンフレット

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January 29, 2006

晴れたらポップなボクの人生

ホームレスのロードムービー。白岩久弥監督作品。

会社を辞めて寮を追い出されホームレスになって3ヶ月の主人公(矢部太郎)は、河川敷のホームレス村で変わり者と見られていたユウさん(池畑慎之介)がある日突然村を出て行くと言い出したことに興味を持ち、あとをついて東京の街を歩き回る。
ついて行く先々で知る、15年間に渡るユウさんのホームレス生活とそれ以前の過去と贖罪。
それにホームレス仲間のエピソードが重なり、主人公が今後の生き方を見出していく。

正直、重苦しいばかりのユウさんの道中に、変わらず河川敷で生きているホームレス仲間(片桐はいり、木村祐一、板尾創路、温水洋一)のエピソードが挿入されることで、ホッと息をつけるようなバランスの取れた構成になっている。

矢部太郎はテレビでの芸人としてのオドオドした感じはなく、意外に二の線で演じられていた。
池畑慎之介ことピーターはホームレスという奇をてらったような役柄をきちんと演じてはいたものの、見ている間、ずっと沢田研二の方が似合うのではないかと思っていた。付けヒゲのと分かってしまう無精髭も今ひとつ。
ホームレス仲間のキム兄や板尾さんはもはや安心して見ていられる安定感がある。
多岐川裕美はエンドロールまで名前に確信が持てないほど、やさぐれた役柄にはまっていた。

見ている間、上野、新宿、汐留、芝公園、月島と効率の悪い歩き方をしているので東京の地理を知らない人向けに作っているのかと気になっていたが、パンフレットに地図が載っていたので意識はしているのだろう。

~1月27日・テアトル新宿にて~

bn_harepop

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January 15, 2006

メゾン・ド・ヒミコ

ゲイバーのママが作ったゲイ専用老人ホームを巡る話。

主人公の女性は、母親と自分を捨てたゲイである父親が作った老人ホームでのアルバイトにバイト料欲しさに赴く。
自分と母親を不幸にした父親はもちろん、ゲイみんなに嫌悪感を覚えるが、次第にうち解けてゆく。

そもそもが老人ホームなので、みな老人であり、死を意識せずにはいられず、死に目について考えていく様は涙を誘う。

柴咲コウはふてくされた不細工な役をやらせると結構上手く、ただの美人役ではもったいない。
オダギリジョーは決して美形とは思わないのだが、老人たちの間に入るとさすがに若さも手伝い、見栄えがする。一貫して尻の形を強調する服装だったのが気になった。
西島秀俊はいつの間にか「西島秀俊」という役柄が出来上がっているような印象を受けるのだが、今回もそれに違わぬ独特な佇まいが良い味を出している。

DVDも出ることが決まっているのだが、購入しても損はないと決定。
~1月14日・ギンレイホールにて~

メゾン・ド・ヒミコ

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October 15, 2005

FASTER

監督&脚本:マーク・ニール ナレーション:ユアン・マクレガー

2輪レーシング界の最高峰MotoGPのドキュメンタリー。
2001年の500ccクラスとレギュレーションが変わった2002年を中心に、MotoGPの魅力を描く。

ロッシとビアッジの確執などMotoGPの中心となる話題も取り上げているが、カメラが密着しているのはレッドブルヤマハのため、ギャリー・マッコイの姿を中心に2001年は語られる。
2001年のマッコイは怪我が多く、活躍できないため、大した盛り上がりもなく終わる。
2002年は新鋭ジョン・ホプキンスも現れ期待を抱かせるが、やはりレギュレーションの壁に当たって活躍できずに終わる。

さらに残念なのは、この時期に割と活躍していた日本人ライダーの姿がほとんどないこと。
芳賀などはレッドブルのはずなのに、ホプキンスと入れ替わりにクビになるまで名前も出てこない。

全体的には映画館で黙って見るよりも、家などで画面を見ながら、これは覚えてるなどと話しながら見たいような作品。
次は是非とも日本人ライダーにも焦点を当てた作品が見たい。

と思ったら、ホームページによると2003年シーズンを描いた「FASTER & FASTER」という作品もあるらしい。これは観たい。

(2005.10.15、テアトル新宿)

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