September 10, 2007

東京ヴォードビルショー『黄昏れて、途方に暮れて』

恥辱に満ちた過去を持つ4人の男たちと母親を捜し求める男の話。

駅に降り立った男(佐藤B作)は、それぞれに過去を持つ男たち(市川勇、山口良一、あめくみちこ、たかはし等)と一緒に暮らす羽目になり、来る日も来る日も彼らの過去を演じ続けるようになる。

過去を演じている、と分かるまでは、舞台上の役柄と演じている役柄がいつ入れ替わって、また過去にまつわる本当の人々との関係が掴みかねる。
そこさえ、クリアできてしまえば、十分に楽しめるが、楽しむまもなく、作品の主題に入っていく。

すなわち、過去(トラウマと言い換えても良いかもしれない)を演じることによって、その過去と向き合おうとする彼らに対して、そのままではいけない、という指摘。
彼らには現実に待ち望む人々がいて、そこに帰って行くべきだというもの。

ただ、その指摘もユーモラスに描くことで、どちらが正しいともなく、結論は出ないで終わる。
その終わり方は、ちょっと梯子を外されたような印象も受けるが、これはこれで1つの終わらせ方であろうと感じられた。

公演は脚本家・松原敏春7周忌公演と言うことで、そのままトークショーへ。
故人を偲ぶということで、ユーモラスなエピソードでも涙を誘われるものがあった。
そしてまた、女優は話が下手であることを知った。

~2007.9.8 新宿 紀伊國屋サザンシアターにて~

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 21, 2007

禿禿祭(はげちびさい)

高橋克実と八嶋智人の二人による公演。二部構成。

第1部は岸田國士・作の「命を弄ぶ男ふたり」。
線路脇、周りに人家のない外灯の下で自殺を目論む男二人が会話を重ねる話。
どちらが死ぬに値する理由を持っているか、どちらが先に命を絶とうとするかと言った会話を通して、自ら命を絶とうとすることに理由を求めることの無意味さや滑稽さを表現している。
という話なのだと思ったが、所々に小ネタが散りばめられ、なかなかテーマが見えにくくなっているように感じた。
それも、この二人を目当てに来場している観客の期待を考えれば致し方のないところか。
大したことのない小ネタにも関わらずかなりの大笑いを誘っていて、少々邪魔に思えなくもなかった。

第2部は日替わりゲストを招いてのトーク。
歌謡ショーから始まり、この日のゲストは清水ミチコ。
声帯模写講座から、引き語りでユーミン、矢野顕子、美輪明宏のネタを披露。
ラストに再び歌と踊り。

1部と2部の落差はともかく、期待通りに楽しいステージでした。

~2007.1.20 世田谷パブリックシアターにて~

| | Comments (0) | TrackBack (1)

December 25, 2006

NODA・MAP第12回公演『ロープ』

弱小プロレス団体を舞台に「力」について描いた話。

弱小プロレス団体の二代目ヘラクレス・ノブナガは引きこもり。何とか引きずり出してリングに上げようとするタッグパートナーと団体所属のレフェリー、話を聞きつけてスクープをものにしようとする弱小ケーブルテレビのディレクター一行、そこにリングの下に住む未来から来たコロポックル・タマシイが絡んでいく。

Continue reading "NODA・MAP第12回公演『ロープ』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2006

東京ヴォードヴィルショー『エキストラ』

劇団トウキョウヴォードヴィルショー第61回公演。作・演出は三谷幸喜。

舞台はあるドラマのロケ先、エキストラの控え場所となっている廃寺の本堂。
天気のせいでなかなか進まない撮影、シーンの変更に合わせて着替えを強いられるエキストラたち、そうした調整がうまくできないエキストラ派遣事務所の新米マネージャー(はしのえみ)、現場が初めてというエキストラ(伊東四朗)、エキストラ出身の役者(佐藤B作)、エキストラを邪険に扱うAD<アシスタントディレクター>などがエキストラの控え場所にやってきて物語は進んでいく。

業界の慣習に振り回される人々に笑い、それを打ち壊そうとする人(角野卓造)と共に憤り、その情熱と無力感に涙し、ひとつの完遂にスッキリする、という三谷幸喜作品のツボはすべて備えている。
クライマックスの緊張感と脱力のタイミングも絶妙で、2時間を超える上演時間も短く感じられる。

役者陣は客演も含めて安定感があり、安心して観ていることができる。
特にベテラン陣をエキストラに持ってきて、ドラマスタッフやドラマの主役の役を若手に振っていることが功を奏しているように感じられた。

~2006.11.19 新宿 紀伊國屋サザンシアターにて~

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 20, 2005

キャラメルボックス"TRUTH"

演劇集団キャラメルボックス劇団創立20周年記念公演第一弾をサンシャイン劇場にて。
初見だけれど、題目自体は再演となるもの。

舞台は幕末、幕府に付くか調停に付くかで揺れる上田藩士の姿を描く。
若手藩士たちの青春ものであり、恋愛模様あり、サスペンスあり、殺陣もあるという盛り沢山だけれど分かりやすくて安心して見られる。

ひとつの舞台セットを藩邸や道場や藩士邸や禅寺と使い分けていることや、回想シーンも含めて時間軸が行き来することをセリフだけで説明できており、そうした構成は見事。
ただ、果たして初心者にも分かるのだろうかと少々心配になってみたりする。テレビに慣れた世代にとっては場面転換にはテロップが欲しくなるのではないだろうか。
とはいえ、久々に戻ってきた上川隆也も含めて魅力的な舞台を作り上げている。

実はずっと気になっていたのは、バックで流れるZABADAKだったりしたのだけれど。

関連商品はこちら→キャラメル・ボックス・1999 サマー・ツアー・サウンドトラック“TRUTH”
             1999 サマーツアー“TRUTH” ビデオ

| | Comments (0) | TrackBack (0)